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何かが崩れる音がした。
頭真っ白になって、追いつかなかった。
彼が何を言ったのか、わからなかった。
「…嘘だ、」
弱弱しい縋るような声に、その瞳は何も言わなかった。
「、」
__幼い頃から、面倒を見てくれた。
剣術も、文字も、教えてくれた。
羅漢『…それ以上は危険です。』
朱春雷に救われた命を、惜しまず私に尽くした。
「何故だ、?、
__何故、お前がそんなことをっ!!」
何か、
__何かあるはずだ。
そう、何か理由があって…
羅漢「…貴方を裏切り、苦しめたのはこの私です。
ごめんなさい、」
「…私は、そんなことを聞いてるんじゃない!
羅漢、答えろっ」
お願いだ、きっと何かあって、…
「何か、理由があるのだろう?、
お前は、そんなことをするような人間ではない…」
手に持っていた剣が揺れる、
曦臣「A様!!」
ミシミシと、焼け脆くなった柱が倒れてきた。
気づいたときにはもう遅くて、
「羅漢っ!」
最後の笑みを浮かべた彼に、手を伸ばした。
「やめろっ!!」
その手が届くことはなく、
羅漢「____、どうか生きてください。」
ガシャン、
「っ〜〜」
大きな音と共に、羅漢は下敷になった。
呆然と、滲み出てきた血を眺めた。
「…、」
曦臣「…A様、ここは危険です。
こちらに来てください。」
「あぁ…そうか、
___羅漢は、…裏切ったのだ。」
わけのわからないことを呟き始めた。
「…お前はいつだってそうだよな、
私は何度も裏切られた、
母を殺しておきながら私にしかえていたとは…」
曦臣「っA様!」
「私を陥れて楽しかったか?、羅漢っ!!」
酷い言葉を浴びせる彼女の腕を掴んだ。
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作者名:染子 | 作成日時:2022年1月17日 14時