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枯れ枝のような手、
干し柿のような顔、
まるで幻覚を見るかのように、迫ってきた。
先代「…あぁ、春雷、」
髪も白く、首も簡単に折れてしまいそうな先代が嘆く。
先代「戻って、来たのか…」
先代が重ねているのは父のことだ。
みな口を開けば、父のことばかり。
正直、飽きたのだ。
____こんな爺早く消えればいいのに…
握られた手を水で洗う。
相変わらず、この家は腐っていて
胸くそ悪い気分が収まらない。
叔父「戻ってきたのか、朱A」
負け犬が吠えてくる、躾のなっていない犬だ。
「叔父様こそ、お元気そうで何よりですな。」
叔父「梅林姉様に気に入られているからと言って、
見逃されると思うなよ！！」
「飲んだっくれの叔父と話す時間などありません」
この家で一番馬鹿な男だ。
すぐ、騒ぎ立てる。
使用人の叫び声が聞こえた。
その声に驚いていると、走ってきた使用人が言う。
使用人「先代様が、
____お亡くなりになりましたっ、」
血相を変えて、言った言葉に叔父は目を開く。
叔父「何故だ、さっきまで生きていたのだぞ！？」
___殺されたのだ、
この家の頂点に立っても、その座から引きずり降ろそうとする者がこの家にいる。
憐れだ、かつての先代がその座を奪ったときと同じ殺され方をするだなんて。
「くっ、くく」
叔父「…、何が可笑しい！！
お前だろ、お前がやったんだ」
「先程まで貴方といたではありませんか？」
バカめ、自らそんなことをせずとも先代の命を取ろうとしているものなどいくらでもいる。
叔父「俺は、知っているんだからな！！
お前は、この家を壊そうとしているんだろっ」
その言葉にわざとらしく目を開いた。
そして笑ってやった。
「すでに壊れているものを…
_____壊して何が悪い？」
私が望むのは、この家の崩壊だ。
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作者名：染子 | 作成日時：2022年1月17日 14時
