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__さらしが、見られた。
気づいたときには手が伸びていて、驚いた表情をしていた彼を押し倒した。
「、見たな」
さらしを見て、女だと気づかないわけがない。
よりによって姑蘇藍氏にバレるだなんて、
睨みつつ、隠し持っていた短剣で脅す。
思いっきり彼を押し倒した反動で体が軋むように痛むが、そんなことに構っているほど馬鹿ではない。
曦臣「…落ち着いてください。」
「この状況で、落ち着いていられると思うか？」
誤算だ、こんなはずじゃなかった。
曦臣「…、貴方が隠しているのであれば、他言はいたしません。」
落ち着いた様子で彼が私を諭す。
「信用できない。」
だが、殺すことはできない。
何か…弱みでもあれば、
曦臣「私にとってなん利益にもなりません」
「人はいつ裏切るかわからない生き物だ」
優しく手を差し伸べられても、それを信じていいかは別だ。
弱みに付け込まれば、善人であろうと裏切る。
この世はいくらでも繕うことができる。
誠の心などあるわけがない。
彼の瞳に醜く睨む己の姿が映る。
曦臣「あなたは…、何と戦っているのですか？」
「、教える義理はない。」
曦臣「あなたは…意図的に襲われた。
、何に狙われているのでしょうか？」
「、そんなもの知ってどうする？」
冷たく言い放った言葉に彼は眉を下げた。
曦臣「…私は貴方を傷つけない。」
同情、だろうか。
いかにも、清く正しく美しい姑蘇藍氏だ。
腸が煮え返りそうだ。
「同情される筋合いはない、」
その瞳すら気持ち悪く感じて、短剣を片付け彼の上から降りた。
はだけた服を整える。
曦臣「そんなつもりではありません…」
「__私は誰も信用しない。
あなたがこのことを口外するのであれば、
そのときは容赦しない。」
姑蘇藍家を敵に回すのはまずいだろう、
だが、口外するというのであればそのときは己の手を血で染めてでも邪魔するのみだ。
男だと偽る彼女の瞳には憤りと憎悪が混ざっていた。
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作者名：染子 | 作成日時：2022年1月17日 14時
