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__ある所にそれはそれは優秀な若様がいた。







地方の落ちぶれた家門であるにも関わらず、その若様の力は名家にも目が留まるものであった。







人柄にも優れており、その容姿は天人のように美しく、誰もが彼を認めた。







彼の功績は死をもってとだえることになる。








彼の力で繁栄に向かった家門ではここぞとばかりに当主の座を狙う輩が出てきた。








先代が病に伏したころ、









見計らったかのようにあの若様と瓜二つの容姿をした男が姿を表した。





__朱 A







その容姿に誰もが驚いた。







彼は自分が亡き父、








_____春雷の息子であると主張した。








春雷と瓜二つの男が現れたことで、





家の勢力図はガラリと反転することとなった…











遠くから声がした。






羅漢『A様、それ以上は危険です!』







手を掴む羅漢に苛立つ。










『…手を離せ、』










羅漢『ですが…』











『お前は父にも、そんなことができるのか!!!』









羅漢の驚いた表情が見える。










所詮は父の駒である、こいつを信用してはいけない









___あの時、裏切った男だ。















倒れた若様をすぐに姑蘇へと連れて戻る。










苦しそうに、眉をひそめる姿は、










怨念にやられ、幻覚を見ているに違いない。














忘機「…朱の若様が狙われていたことは、




偶然でしょうか?」









『偶然ではないでしょうか?』









彼は確かにそういった。









『ここで負けるわけにはいかないんだ!』









あの焦りように、違和感を感じる。









曦臣「…ひとまず目を覚ますのを待とう。」








忘機を戻らせ、苦しそうに眠る彼の容態を確認する







持ってくるように頼んだ、布を湿らせ汗を拭いてやろうと手を伸ばした。













梅林『あぁ…本当にあなたはお父様そっくりね』









うっとりと出戻った婆婆に見つめられる。








気持ち悪い、








梅林『ねぇ、よく花街で遊んでいるそうね』










『…』








裏に周り、ぎゅっと後ろから抱きしめられる。












撫で回されるような、感覚が吐き気を促す。









梅林『あまり嫉妬させないで頂戴。







…何をしてしまうのかわからないから。』










___この人は、壊れている。














ゾワッとした感覚に目を覚ます。












「っ、!」








目に映ったのは藍曦臣であり、私の胸元ははだけていた。









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作者名:染子 | 作成日時:2022年1月17日 14時

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