第九十七話 優しい悲しい異常な子 ページ16
――――――秋、ナナシ、東野、?――――――――
沈黙が訪れた。
「……………………どういうことですか?異常、とは。」
詰まりながらも東野は声を絞り出す。
しかし、声は数段低くなっており、嫌悪感がにじみ出ている
「貴方達が理解している通りの意味です。
あの子は常識の範疇から外れていますか?………簡潔に云うと、あの子は狂っていますか。」
秋は再度質問を繰り返した。
その言葉にどんな意図があるのか、東野は必死に頭を巡らす。
[何故そんな質問を?その意図をお聞かせ願いますか。
こちらとしては、零の事を、自身の娘を異常かと判断するのはどうかと思うのですか。]
ナナシは口を開いた。
明らかなる敵意を言葉に乗せながら。
「……………………云ったでしょう。頭首としてと。
今回の覚決めを勝ち抜いたのはあの子。しかしあの子はまだ幼い。
にもかかわらず。自身よりもはるかに上の相手に対して一切の躊躇もなく挑んだ。」
秋は困ったように微笑んだ。
「普通ではない。そんな子に、この悟ヶ原家を任せていいのかということです。
宗田さんは大丈夫だというのですが、矢張リ悟ヶ原が一隅として、
あの子は大丈夫なのかと心配になるのですよ。」
「それでわざわざ聞きに来たというわけですか。
信用のひとかけらもない俺たちに。」
「危険な賭けでしたけどね。私は嫌われているようですし。」
ちらりとナナシを見る。
「……………まぁ。…………………俺としては、あいつは正常でしょう。」
秋は黙って聞いている。
「私的ですが、彼奴はほかの人間よりも真理に干渉している。
覆しようのない運命を知っていて、でもそれを覆すことが出きる能力を持っている。
だからこそ、つまらないんでしょう。」
ナナシが小さく反応した。
「自分より長く生きていようが、自分より強かろうが、チェスの駒みたいなもの。
彼奴にとってはそうなんでしょう。だから、俺としては、中身が大人の子供みたいなものです。」
秋は驚いているようだった。しかしすぐに同じように微笑んで云った。
「そうですか。ええ、そういわれればそうですね。同世代と会話しているみたいですもの。」
そして、秋はナナシのほうへ向き問いかけた。
「貴方はどう思いますか?柊殿?」
―nextTim――――――――?????
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三斗(トリップ願望者) - ええええええ!何でこんな此れから良い所☆みたいなとこで更新停止しそうになるかなああああああああああ‼‼‼作者さん!Please come buck‼‼‼‼‼ (2022年7月27日 14時) (レス) @page28 id: 50d700a5ed (このIDを非表示/違反報告)
吸血蝶(プロフ) - みゃうさん» ありがとうございます!諸事情により更新出来ていなかったのですが、これからは更新していきますのでよろしくお願いします!英語はもう諦めてまして……見逃してくださると幸いです。 (2019年7月27日 13時) (レス) id: 93dc29917b (このIDを非表示/違反報告)
みゃう - 吸血蝶さん、タイトルが気になって読んでみるとすごく面白かったです。・・・英語の勉強をしましょう? (2018年12月26日 13時) (レス) id: fa587dfb5c (このIDを非表示/違反報告)
吸血蝶(プロフ) - やみねこさん» ありがとうございます!!!最近は時間ができてきたので、多く更新できるよう頑張ります!!これからもよろしくお願いします! (2018年8月8日 13時) (レス) id: a5cd03074c (このIDを非表示/違反報告)
やみねこ - 百話おめでとうございます! (2018年8月7日 13時) (レス) id: 008d70804a (このIDを非表示/違反報告)
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