第11話「雪が溶ける温かさ」 ページ13
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「わぁ!炭治郎見て!雪だよ!」
「凄いな!…なんだか懐かしいなぁ。」
第11話「雪が溶ける温かさ」
昔の話をしよう。俺がAを一生守ろうと決めたときの話だ。
その日は酷く寒くて東京なんかでも雪が降った。そんな日にAの姿が消えたのだった。俺は小さいながらに必死に探した。
探し始めてから10分もしないうちにAは家に帰ってきたそうだ。
Aの家に上がれば雪まみれのAとAのお母さんの姿があった。
「こんな時間に一人で飛び出して!何をしてるの!」
「ごめんなさい…」
Aは目を潤して口を開いた
「でも私炭治郎に雪だるま作ってあげたかったの。」
俺に?俺に雪だるま…?なんで?
「だって炭治郎、雪降ってて嬉しそうだったから…でもこの雪の量じゃ雪だるま作れないやって悲しそうで、それで…」
俺はその言葉を聞いた時、人のために危ないことをしようとするAに変な話だけど憧れや尊敬といった感情を抱いた。
ものすごく嬉しくて、でも自分のために危険を晒させてしまったのが苦しくて。
「…はぁ。無事でよかった。寒かったでしょ。炭治郎も、ありがとうね。」
Aのお母さんはAの理由を聞いた後Aを抱き締めてそういった。
Aの手にはお世辞にも雪だるまとは言えないものが乗っていた。それを受け取って胸に寄せる。
「Aのお母さん…」
「ん?どうしたの?炭治郎。」
「俺、一生A守ります。」
小学生ながらに考えた結果だった。それは大人になった今でも後悔していない。なんの躊躇いもなかった。恥ずかしさなんて微塵も感じなかった。
「…そう、任せたわよ、炭治郎。」
Aのお母さんもAに似てものすごく優しい。俺の気持ちを汲み取ってくれて、Aとともに抱きしめてくれた。
「A本当にありがとう。俺Aのこと一生守るから。だからお願い…
「_____ずっと傍に居て。」
「ん?炭治郎どうしたの?」
「ううん。何でもない!少し昔のことを思い出していたんだ。そうだ!今日は鍋にしよう、あったまるぞ〜!」
「鍋!最高だよ炭治郎!楽しみすぎる〜!」
…俺は愛が重いのかもしれないな。
それでも、あのときの言葉も今の環境にも後悔なんて一度もしたことがない。
__隣で白い息を吐く彼女が、いてくれるなら。
「寒いし早く帰ろう!ほら、手!」
「いやだよ手は繋がないよ。」
三人分の食材、買い物袋の重みが愛おしい。
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セシルン(プロフ) - この作品も好きなんですが極悪犯の方も好きでまた読みたくて気づいたらパスワード掛かっていたのでパスワード教えてほしいです!お願いします! (2021年7月22日 1時) (レス) id: 23bae16f03 (このIDを非表示/違反報告)
ぬん(プロフ) - 豆大福さん» 皆様のおかげで無事完結することができました!ほのぼのとしていただけたのなら幸いです!そしてこちらこそ素晴らしいコメントありがとうございます!これからも頑張りますので何卒よろしくお願いいたします! (2020年3月21日 9時) (レス) id: 2ea5b93c28 (このIDを非表示/違反報告)
ぬん(プロフ) - ふぇりさん» ほのぼのとしていただけたのなら幸いです!!こちらこそ素晴らしいコメントありがとうございます!!!これからも頑張りますので、何卒よろしくお願い致します! (2020年3月21日 9時) (レス) id: 2ea5b93c28 (このIDを非表示/違反報告)
ぬん(プロフ) - なはやんさん» ありがとうございます!!無事完結できましたのも皆様の応援のおかげでございます!!こちらこそ素晴らしいコメントありがとうございます!!これからも頑張りますので、何卒よろしくお願い致します! (2020年3月21日 9時) (レス) id: 2ea5b93c28 (このIDを非表示/違反報告)
豆大福 - 完結おめでとうございます!見ていてほのぼのしていました!これからも応援してます! (2020年3月21日 8時) (レス) id: eb8684d377 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぬん | 作者ホームページ:http://urana
作成日時:2020年3月13日 0時