ズルすぎる ページ7
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「A。」
「はっ、はい?なんでしょうか?」
お昼、私は義勇さんと食堂に来ていた。食堂もあまり行かないらしいから、周りの人たちはだいぶざわざわしていた。それから食堂の物を社長室で食べると言う高度な技を見せてくれた。
「…俺のエビフライ、やる。」
「え!?頂けませんよ!義勇さんが食べてください。」
「…。」
義勇さんは有無を言わさずに私のお皿にエビフライを置いた。どうしてだろう、義勇さん一本目のエビフライはすごく美味しそうに食べてたのに。
私がエビフライを口に入れて「美味しい」と言うと義勇さんは少し目を細くして
「やっと、笑った。」
と言ったのだ。私、そんなにひどい顔してたんだなとつくづく反省をする。
「義勇さんは、なんだかんだ優しいですよね。」
__ああ、ずっと堪えてきたのに、
なんでこんな時に出てきちゃうんだろう。
私は炭治郎のあの優しさが憎かった。
最初から私に勝ち目なんてないのに、思わせぶりすぎだよ。
「…ここには俺とAしかいない。」
義勇さんは私の前まで来て、私の涙を手で拭い、抱き締めた。
急に優しくなるのやめてほしい。心臓がうるさくなるから。
「何があったかまではわからんが、Aが傷ついてる事くらいはわかる。」
「やめてください、ズルイですよ。」
本当にずるい。今そんなことされたら私は…、
義勇さん、あったかいんだよなぁ。
今はこの温もりに甘えさせてほしい。
「失恋したんです。」
「……そうか。」
「ずっと好きだったんです。」
「………。」
義勇さんの抱き締める力が強くなる。そして義勇さんは口を開いた。
「俺はAが好きだ。」
ああ、またそうやって。
私、今そんなこと言われたら…
「だから、俺はAから離れない。」
___好きになっちゃうじゃん。
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にぃ - とても面白いしキュンキュンしました。これからも面白い作品作ってください。 (2020年8月23日 21時) (レス) id: e653c86382 (このIDを非表示/違反報告)
陽渚(プロフ) - 面白かったです!他の作品も読ませてもらってます!頑張ってください (2020年8月4日 22時) (レス) id: 0a67e21c60 (このIDを非表示/違反報告)
ぬん(プロフ) - Regulusさん» ありがとうございます!!そう言っていただけると心からかいてよかったなぁと思います!次回作も是非見てみてください!これからもよろしくお願いします! (2020年4月4日 22時) (レス) id: 2ea5b93c28 (このIDを非表示/違反報告)
Regulus(プロフ) - 完結おめでとうございます(*´▽`*)とても楽しませて頂きました!次回作も楽しみに待っていますo(*⌒―⌒*)o (2020年4月4日 14時) (レス) id: 9c91fd3a1d (このIDを非表示/違反報告)
ぬん(プロフ) - 月花さん» ありがとうございます!そう言っていただけると書いてよかったなぁと思います!本当にありがとうございました!! (2020年4月2日 23時) (レス) id: 2ea5b93c28 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぬん | 作者ホームページ:http://urana
作成日時:2020年3月27日 22時