想い人の想い人 ページ6
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「おはよう。」
「…おはようございます。」
結局朝も義勇さんの車で出勤する。いつも何時から待ってるんだろう?私の出勤する時間なんてまばらなのに。
「…なんか疲れてそうな顔してるな。」
「えっ…?」
「どうしたんだ。」
「なんでもない…デス。」
義勇さんは私の顔をジーッと見て「そうか。」と言った。心配してくれたのだろうか?
疲れてる原因があなたとも、炭治郎とも言えないよ。
「って言うか、義勇さん仕事忙しいのに毎回毎回私のこと送らなくて良いですよ…」
「Aが危険な目に遭ったらどうする。」
「今まであったことないので大丈夫かと…」
「今までとこれからは別問題だ。」
…妙なとこで頑固なんだな。って言うかこの状況で本当に申し訳ないんだけど。私出勤も退勤もラクしすぎてる。
「それに、俺はやりたくてやってる。」
「…え?」
「朝一番に会うのも俺、最後に会うのも俺が良い。」
「あぁ〜。」
この人なんでそんな無表情で恥ずかしいこと言えるの?私だけ照れて馬鹿みたいじゃん。
やっぱり怖いよ。何考えてるかわからないもん。
「まあ確かに、今だったらそうなってますね。」
「…夫婦だから。」
「夫婦じゃないですよね、まず付き合ってもないですよね。」
それでも、沈んだ心を少し引き上げる力はあった。彼は少しフフと笑ってそっぽ向いたのだ。
・
「おはよう、炭治郎、善逸。」
「おはようA!」
「おはよぉ〜〜A今日も社長と来たんだろお?炭治郎もカナヲと来てたしよぉ〜俺泣いちゃうよ?」
「…!」
炭治郎もカナヲと来てたんだ。私は胸が苦しくなった。そして少し顔を赤くしながら「それはただ!」って反論してる炭治郎の姿は見たくない。
「炭治郎とカナヲが両思いなのは知ってるからもどかしいんだよなぁ〜。」
あぁ、なんて馬鹿なんだろう。私の恋は最初から実らないってわかっていたはずなのに。
出会った時から彼の隣には彼女がいたのに。
善逸が言った言葉は私の心をえぐるには十分すぎる言葉だった。
「いいね、お似合いじゃん。早くくっつきなよ。」
「なっ!Aまで!もう!」
___涙が、出そうだ。
私は炭治郎もカナヲも大好きだから、応援できるよ。頑張るから。
今だけは話しかけないで。
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にぃ - とても面白いしキュンキュンしました。これからも面白い作品作ってください。 (2020年8月23日 21時) (レス) id: e653c86382 (このIDを非表示/違反報告)
陽渚(プロフ) - 面白かったです!他の作品も読ませてもらってます!頑張ってください (2020年8月4日 22時) (レス) id: 0a67e21c60 (このIDを非表示/違反報告)
ぬん(プロフ) - Regulusさん» ありがとうございます!!そう言っていただけると心からかいてよかったなぁと思います!次回作も是非見てみてください!これからもよろしくお願いします! (2020年4月4日 22時) (レス) id: 2ea5b93c28 (このIDを非表示/違反報告)
Regulus(プロフ) - 完結おめでとうございます(*´▽`*)とても楽しませて頂きました!次回作も楽しみに待っていますo(*⌒―⌒*)o (2020年4月4日 14時) (レス) id: 9c91fd3a1d (このIDを非表示/違反報告)
ぬん(プロフ) - 月花さん» ありがとうございます!そう言っていただけると書いてよかったなぁと思います!本当にありがとうございました!! (2020年4月2日 23時) (レス) id: 2ea5b93c28 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぬん | 作者ホームページ:http://urana
作成日時:2020年3月27日 22時