この勘違い社長どうにかして【冨岡義勇】

重なる ページ13

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義勇さんは驚いたように、でも嬉しそうに私を抱きしめた。



「…俺の方が好きだ。」



義勇さんは少しいつもよりも柔らかい口調でそう言う。正直私の顔は真っ赤だろう。



「…でも、これから先Aには辛い思いをさせてしまうかもしれない。政略結婚を押し切って、Aと結婚するとなれば母親も黙っていないだろう。」

「私はその話を聞いた上で、義勇さんが好きって言ったんですよ。」
「…そうか。」



義勇さんは私を抱きしめる力を強くした。




「とりあえず、今日母親に言ってみる。きっと怒られるが、俺の意思は変えない。」


「俺はずっとAが好きだったんだ。」




義勇さんを好きになること、凄く大きなことなのかもしれない。
義勇さんは社長と言う立場だから、それなりの覚悟は必要だ。




__でも、義勇さんを好きになれてよかった。



最初は勘違いやろう無理とか思ってたけど、いつの間にか心奪われていたのだ。




私が少し微笑んだら、義勇さんは少し手を緩めて私の顔を見た。




そしてだんだん顔を近づけて、唇が重なった。



義勇さんの整いすぎている顔が目の前にあって、私の心臓はバクバク言ってるし、思い切り目を瞑る。



でもずっと義勇さんが何もしないから、目を開けると、義勇さんも少し顔を赤くして私を見つめていた。




そしてまた、唇を重ねた。




義勇さんの熱が伝わって、私も熱くなる。




「義勇さん、顔赤いですよ。」
「Aもだ。」




2人で笑い合えるのって、すごい幸せだ。

義勇さん、私も頑張るから。




一緒に、頑張ろう。




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