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▧君とのすれ違い ページ32
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些細な、本当に些細な出来事だった
仕事でうまくいかないことがあって、むしゃくしゃしながら家に帰ってきた
「ただいま…」
少し不機嫌そうな声でただいまと言うと、奥の方からAが走ってきて、おかえりと言ってくれた
『ねぇ北斗、何かあった？』
夜ご飯を食べて、今日は早めに寝よう、そう決めて、寝る準備をしていたら、お風呂から上がったAが問いかけてきた
「別に、何も無いけど」
『嘘だ、絶対なんかあった』
「なんにもないって」
『話してくれなきゃ分かんないよ』
「だからなんでもないから！」
ついカッとなってAに大声を出してしまった、それを聞いたAは、肩をビクッと震わせて後退りした
「…っごめん、先寝るね」
『…ご、ごめん…』
今にも泣きそうな声で発したAに、優しく寄り添うことが出来なかった…
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作者名：チョコ | 作成日時：2022年2月4日 17時
