愛すべき人はツンデレでして。(ybhk)

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光はうつむき気味に下を向いて、
俺の手に自分の手を重ねる。



そして、少し触ったあとに
ゆっくりと指を絡めてきた。



光「昔ね、『やぶの受験を応援しよう』
みたいな企画やったでしょ？」



たしかにやった。
高校受験前に東京のあちこちを回って、
おみくじとか、暗記とか。



「あぁ、あったな。そんなこと。」



でも、特に変なことをした覚えはない。
…思春期だったってこと以外は。



光「いつだったかさ、『昔、思春期らへんのころ、
やぶひかって呼ばれるのが凄く嫌だった』って
インタビューで言ってたじゃん。

たしかに、あの頃は全然やぶとも話さなかったし、
ずっと反抗的ですっごく怖かった…、」



"すごく怖かった"


それもそのはずで、
光は目立った思春期を迎えていなかった。

親が嫌いになるなんて、
きっと経験したことないだろう。




「いや、それはさ。
思春期っていう…、」



光「おれ、寂しかったの……！
やぶに話しかけたくても話しかけられないし…。

ドラマで役作りの仕方も聞きたいのに、
全然聞いてくれないし…。」




光は、ボソリと「今でもずっと覚えてる」と口にした。



「それは悪かった…。ほんっとに、悪かった。
でもさ、光…」

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