エースが鏡割った ページ5
エースが鏡割った
女監督生
エースがヤンデレちっくかと思いきや……
エー監
捏造でしかない
＿＿＿＿＿
「は、……」
バッキバキに割れた鏡。
いくらかき集めても修復はもう無理だろう。
「あは、 …ね、俺らずっと一緒でしょ？なんたって、マブダチなんだから、」
手が真っ赤に染ったエース。
普段キラキラと輝いてる瞳は、今となっては低く沈んだ暗い色に濡れている。
「エース……」
「なぁに？監督生」
「鏡ね
もう1枚あるの……」
「えっ」
「いやなんかホントごめんね？あれだよね巷でよく見るヤンデレとか言うやつでしょホントごめんなんか空気ぶち壊しだよね」
「えっ」
「まさか私がどの鏡から帰ろうか悩んでる時に鏡ぶち割るとは思わなくて(笑)いやほんと空気ぶち壊しだよね一瞬でシリアスからシリアルになったっていうか」
「……っはぁ〜〜〜……………………はっず……」
たっぷりと30秒、沈黙したあと、耳まで真っ赤に染めて座り込んだエースに近づく。
対面になるように座ってじっと彼の良い顔面を眺める。
すると彼は、胸の内を吐き出すようにポツポツ話し始めた。
「……俺さ、監督生のことが好き。こんな馬鹿みたいなことしちゃうぐらい好きなの。」
「うん」
「だからさ……元の世界に戻らずに、こっちで生きてくんね？」
「だが断る」
「いや即答かよ！ここはうん！って言う流れじゃん！！俺にほだされて頷いちゃう所じゃん！」
「私、そんな安い女じゃないの……」
身をくねらせながら女を演出していると、エースが急に立ち上がって私に詰寄った。
「あぁ〜！もう！」
血まみれの手で、私の手を握る。
逃がさないと言わんばかりの眼光に少し照れてしまうような
「エース、手に破片が刺さって痛いんだけど」
「俺の心に負った傷の方が何倍も痛い」
「ワロタ。そんなに私の事すき？」
「勿論。好きに決まってんじゃん。Aの事考えるだけでどうしようもなくなっちゃうの。俺は」
「だから、」
「だからさぁ、」
私の体を目一杯抱きしめて、彼は懇願するように囁く。
「……俺の隣に居てよ。」
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作者名：名有りの55号 | 作成日時：2021年2月14日 23時
