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◇sideI
皮肉な話。
昔から人の考えや行動を見抜くことに勘が働いた。
それは自分の卑屈の精神や性格上、人間観察というなんとも悪趣味なものの1つだった。
結果人々の関係や心情を大まかに見抜いてしまったり嘘や偽りをなんとなく悟ってしまったりなど、多々良いのか悪いのか分からないスキルが発動するのは今でも健在だ。
もちろんそれが20年以上も共に居る兄弟であるなら尚の事で、クソ松の表情をみて『クソが』との感情を抱いた。
最初は絶望だとか諦めだとかの表情かと思いきやつい先程意志の籠った瞳に変わる。
抗いなのか、それともなにか希望を見つけたのか。
まぁ前者だろう。おそ松兄さんならまだしも空っぽ野郎に観察眼はねぇ。
ならばおそ松兄さんを観察すればなにか良い情報が得られるのか──それこそ、例の長男の潮時が何なのか、みたいな。
そう思って無理だなと自嘲。
普段はバカアホクズの3拍子。
心情なんて観察する間でもなく分かってしまう。
でも、なんやかんやでマジな時のおそ松兄さんはホントに何考えてるか分からない。
殺人から掃除まで広範囲で動きそうでなにも掴めない(無論殺人も掃除もやらないが)
今がそのマジな時で、へらへらと笑う表情はいつも通りで。
ある意味クソ松よりも演技派だろ。
さっきまで悲痛の表情だったのにね。
まぁ、結論からすると長男の件は自力で解決するしか無さそうだ。
おそ松兄さんの話からするに長男が出ていったらもう二度と会えない。
んでもってそれまで残り2日。
付け足すと俺は長男を5時間半で“忘れる”。
それは会話から読みとったことだ。
クソ松が《理由》を認めたことにより時間が増えた。
つまりは《理由》を知り、頭の中に置いておくことで明確な存在と変換させ、記憶に残らせることで忘却を防ぐ、ということだろう。
まぁほとんどの決定打はおそ松兄さんの『忘れたらもう諦めろ』だけど。
次に考え付くのが長男の《理由》についてだ。
事実を全てとはいかないがある程度把握したクソ松がそれを兄弟に喋らないということはその《理由》はなるほど大きなものだと言える。
言い換えれば──
、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、
長男を除いた俺たち6人が主体となっている《何か》
ということだろう。
それが原因なんだ。全く分からないけど。
でも、分かる自信はある。
俺らの兄さんへの愛情とやらは、本物に違いないから。
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♂哀歌♀(プロフ) - シニタイさん» あ、お分かりになられました??決して赤塚先生を悪者にしようってんじゃないです!!自分でもよく分かりません!!完結後にでも答え合わせしてくださいますと幸いです。 (2016年8月7日 0時) (レス) id: 2229a4fcd3 (このIDを非表示/違反報告)
シニタイ - ♂哀歌♀さん» うぅむ…そうか、そういう事か。この小説の赤塚先生も厄介な事してくれたねぇ…夢主がかわいそうだぜ。 (2016年8月7日 0時) (レス) id: c4a2582adf (このIDを非表示/違反報告)
♂哀歌♀(プロフ) - シニタイさん» ありがとうございます!最後の最後で「あっ!」と思っていただけると幸いです(最後までまだ遠いですが(((そこまでお付き合いいただけますと幸いです! (2016年7月10日 21時) (レス) id: 2229a4fcd3 (このIDを非表示/違反報告)
シニタイ - なるほど、わからん°△° (2016年7月10日 2時) (レス) id: c4a2582adf (このIDを非表示/違反報告)
♂哀歌♀(プロフ) - 青やんさん» ありがとうございます!!私よりも夢主に近い御環境ですね……!頑張りますので今後ともよろしくお願いします! (2016年6月25日 12時) (レス) id: 2229a4fcd3 (このIDを非表示/違反報告)
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