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◇sideI



「…………」



心に巻き起こるのはモヤモヤとした感覚。

酔いも合わさったのだろう。何も食べずに酒だけ呑んでいたから。





──要らない子。





なんでだろ、否定出来ない。


兄さんは、僕たち兄弟に、ではなくて、もっと別の、大きな《なにか》にとって必要ないんだと思う。


僕にその《なにか》は分からないけど。
でも兄さんは知ってるんだろうな。

一人言のように呟いた、赤塚先生との約束かな。




どちらにせよ、兄さんが《要らない子》に変わりはないんだろう。

じゃあ、僕なんかより本当に兄さんの方が《燃えないゴミ》なんじゃない?





「兄さんは、それでいいの?」





要らない人間で、それが理由で長男やめて、僕らとの縁切って。

それでいいの?20年以上も一緒に居た奴と離れていいの?

ねぇ、兄さん。







「いいとか悪いじゃなくて、それが決まり事



 俺なんかじゃ覆せない、決まり事」


「答えになってない。アンタはそれでいいの」


「んまぁ、覚悟はしてたよ。薄々気付いてた。
 産まれた時から俺は《要らない子》だなぁって。

 だからさ、俺今まで目一杯お前らと一緒に居たと思うよ
 本当に、俺にはお前らさえ居れば良かったんだ

 お前らと居た記憶があれば、俺は一人でも大丈夫だから。




 ……つってもな、別にお前らと一生会えない訳じゃないんだよ。
 詳しくは言えないけど。
 お前らが《うつってる》時も、俺はお前らを観ることが出来るしさ。


 だから、俺が自立する、それでいいんだ」





相変わらずへらへらと真偽つかずの笑顔で本音を言う。


長年一緒に居るからか、嘘か本当か、すぐ分かるんだ。





──だから、余計辛い。





こっちがこんなにも兄さんと離れたくないのに。

兄さんは、離れても大丈夫だ、なんて言うから。




兄さんがそう思ってるなら、僕らじゃどうにも出来ない。





ねぇ兄さん、それはどういう意味なの?


ぼそりと呟いた、その《本音》は。





ねぇ、兄さん。
教えてよ、頼むから。









 






 





《…………残り時間はあと僅か》

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♂哀歌♀(プロフ) - シニタイさん» あ、お分かりになられました??決して赤塚先生を悪者にしようってんじゃないです!!自分でもよく分かりません!!完結後にでも答え合わせしてくださいますと幸いです。 (2016年8月7日 0時) (レス) id: 2229a4fcd3 (このIDを非表示/違反報告)
シニタイ - ♂哀歌♀さん» うぅむ…そうか、そういう事か。この小説の赤塚先生も厄介な事してくれたねぇ…夢主がかわいそうだぜ。 (2016年8月7日 0時) (レス) id: c4a2582adf (このIDを非表示/違反報告)
♂哀歌♀(プロフ) - シニタイさん» ありがとうございます!最後の最後で「あっ!」と思っていただけると幸いです(最後までまだ遠いですが(((そこまでお付き合いいただけますと幸いです! (2016年7月10日 21時) (レス) id: 2229a4fcd3 (このIDを非表示/違反報告)
シニタイ - なるほど、わからん°△° (2016年7月10日 2時) (レス) id: c4a2582adf (このIDを非表示/違反報告)
♂哀歌♀(プロフ) - 青やんさん» ありがとうございます!!私よりも夢主に近い御環境ですね……!頑張りますので今後ともよろしくお願いします! (2016年6月25日 12時) (レス) id: 2229a4fcd3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:♂哀歌♀ | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2016年5月14日 22時

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