微 睡 む 空 気 で 。 – 北 信介

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Aさんの隣におる友達、藤島さんも、アランに声をかける。
アランが変わらん顔ぶれ言うてるから、この3人は同じクラスやったんやな。














アランとAさんの友達は言い合いを始めとる。漫才みたいやな。ふと、Aさんに目をやると、その言い合いの様子を穏やかな顔して眺めとる。



















北 「なんやえらい久しぶりな感じするなあ、Aさん。」














　







2人を眺めていた穏やかな目が、ゆっくり、こっちを向く。ゆるい春の風に、桜の花びらが舞う。



















‥綺麗やな。
一体、この「綺麗」の感情がAさんに対して思ったんか、桜が舞う様子に思ったんか、自分でも分からんかった。



















　
○○ 「ほんと、久しぶりだねえ。なかなか喋る機会もなかったもんね。今年は同じクラスだから、たくさんお話できるなあ。」



















彼女は俺に1歩、2歩と近づいて少し嬉しそうに言う。
俺はアランみたいにおもろい話ができるわけでもないけど、お話できるなあ、なんて思っとってくれたのが、素直に嬉しかった。



















Aさんと話しとると、なんや落ち着く。不思議な人やな、と思う。纏う雰囲気言うか、のんびり、ほわほわしとるんよな。‥小動物が隣におる感じか。別に、ねことか犬とか、動物とは会話せんでも何も気にせんでおれるもんな。そんな、不思議と落ち着くような。



















いや、小動物は失礼か、と1人考えとると



















○○ 「私は、北くんと仲良くなりたい、です！」



















俺のほうを真っ直ぐ向いて、綺麗な声がそう言う。

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