夏夜の卵に乾杯を 5 ページ5
「美味そうやんな。」
「せやね、んまそ。」
ロボロと2人でつぶやいて、卵にそっ、と箸を入れた。
とろり、ほろり
黄金の黄身がとろり、と小鉢に零れ落ち、ぱっくりと白いからだが顔を覗かせる。
じゅわり、と口の中に唾が湧いてきた。
もーやだ、絶対美味いやつやん。
「いた、だきます…！」
「んぐふｯ…また、言うん…？」
「ま、言いたい気持ちも分かるんやけどな…！」
はむっ、とシャオちゃんと2人で卵を頬張った。
と、ロボロが6本目のビールを流し込んだ。
私とシャオちゃんも、こくこくと勢いよくアルコールを流し込む。
「んだこれぇぇ…！！！」
「好き、うまい、うまい、うぁぁぁ…！！」
ぎゃいぎゃい、とお酒も入って騒ぐ2人を宥めながらも、私もバクバク卵を頬張った。
とろり、と口の中に解ける濃厚な黄身の味と、ほのかに香る酸味。
美味しい。そんな言葉しか頭に浮かんでこない。
「…って、全部飲み干してるわぁ…。」
「んふ…美味いんやもん…。」
「わっかるわぁ…。」
ふと、3人で目が合って、またこくんと唾を飲み込んだ。
嗚呼、彼らも同じことを考えていたとはな。
「ええかな？」
「ええやろ、明日休みやし。」
「すんません！ビール3つ追加で！！！」
ぽかん、と顔を覗かせる店員さんに、照れたように苦笑してみれば、爆笑が返ってきた。
そこまで笑うなや。
「んひひ、お客さぁん、飲み過ぎないようにしてなー？」
「重々承知之助でぇす…。」
すぐさま差し出された黄金色の体のあいつら。
ちらり、と3人でまた目を合わせ、くふっ、と微笑んだ。
どうにもこうにも、コレはやめらんないなぁ、なんて。
二次会に突入しなけりゃええけど。
「では、皆さん。」
「かんぱいｯ！」
「かんぱーい！」
カンっ
小気味の良い音が音が響き、ほんの少しだけ頬が緩む。
夏夜の卵に乾杯を。
もちろん、乾杯は大切な仲間たちとね。
「また来てもええですか。」
「んふ、大歓迎やで…です！」
敬語に慣れない店員さんと、鋭い眼光をお持ちのお父さんのお店・居酒屋くりーぱー。
また、行けたらええなぁ？
んふ、決まってるやろ。
「アンタらとな！」
「なんやー、照れるぅ〜！」
「うっせー、ばーか。」
ほんのりお酒香る帰り道、3人の背を黄金の月が優しく見下ろしていた。
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ネリー(プロフ) - 匿名さん» ふふ、ご来店ありがとうございました！ この作品でお腹いっぱいにして頂ければ何よりです笑 飯テロ頑張って良かった…！！こちらこそ素敵なコメントありがとうございます…！！ (2021年5月31日 18時) (
レス) id: 2de12fe1d7 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - ご馳走様でした…！！！ほんとに描写が凄くて、読みながら想像してお腹空きました…！！！文字で飯テロされたの初めてです；；素敵な作品ありがとうございました！ (2021年5月29日 5時) (レス) id: 6c6ea452a5 (このIDを非表示/違反報告)
ネリー(プロフ) - イさん» 私が参考にしたサイトでは五段階評価でした…！！10段階の評価もあるんですね…！！？？ 是非、口コミ評価も押してあげてください…！笑 親父さんが喜びます (2021年2月26日 17時) (レス) id: 2de12fe1d7 (このIDを非表示/違反報告)
イ - 口コミ４，２ってええの？１０やと思ってた…… (2021年2月26日 16時) (レス) id: 6136328a84 (このIDを非表示/違反報告)
ネリー(プロフ) - みんとさん» ふふ、ご来店ありがとうございました！ 常連たちにご飯を美味しく食べさせるのにはなかなか苦戦したので、そう言って頂いて光栄です！また、提灯を光らせてお待ちしておりますね (2021年1月11日 17時) (レス) id: 2de12fe1d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ネリー | 作成日時：2020年6月18日 1時
