珈琲と鮭と愛犬 4 ページ33
琥珀色に塗られた上等そうな扉に、珈琲色の日差し。
扉の上に付いた細やかな細工のドアベルを涼やかに鳴らし、シャオちゃんが扉を引いた。
「いらっしゃいませ_______っえ。」
「え、み…さん。」
「よっ、エーミール。」
ふわり、と流れ出した珈琲の香りと、少し驚いたようにこちらを見つめる、エミさん。
お昼ということも相まって、店内には疎らにお客さんも居る為か、彼は驚いた顔を直ぐに隠し、お好きなお席へどうぞ、なんて微笑んでくれた。
ぱちっ、とウィンクをしてくれた筈が、両目とも瞑ってしまうのは、大学時代からの癖である。
…まだ、出来ないんやな、それ。
窓際の4人テーブルに腰掛け、3人ともアイスコーヒーを頼んだところで、エミさんが待ってましたとばかりに此方へ寄ってきた。
「エミさん、久しぶりやな！」
「ええ、お久しぶりです…！！」
「もー、大学以来？ま、それはええか。…まずは、おめでとうエミさん！夢が叶ったんやな！」
と、ロボロが笑顔を向ければ、エミさんは嬉しそうに微笑んだ。
「はい！…実は、今まで、ずっと他の純喫茶で、修行しててな…？今年の春に叶ったばっかりなんです。｣
暑中見舞いで報告しようと思ってたんですけど、と少しだけ照れ臭そうに頭を掻くエミさん。
どうやら、まだ出来て少しなのに常連さんも居てくれるとか。
エミさんの珈琲美味しいもんな、なんて褒めれば、あまり褒められ慣れてない彼はもっと照れ臭そうに頬を染めた。
注文の声に慌てて其方へ向かうエミさんを見つめ、私たちも笑顔で珈琲を飲み込んだ。
「楽しそうやなぁ、エミさん。」
「せやね、楽しそうやわ。」
「エーミール、努力家やもんなぁ…。」
頑張ったんやなぁ、なんてしみじみ呟くシャオちゃんは、少しだけ泣きそうである。
ロボロと2人でドン引きした。
いや、何泣いてんねん。
「は、お前ら心無いん？」
「いや、お前こそ大丈夫か、シャオロン。」
「俺は心が温かいねん。…お前らは極寒ブリザード吹かしてるんやな、おー、可哀想に。」
「あ？なんや、調子乗ってんちゃうぞお前。」
がるる…とシャオちゃんとロボロが睨み合うのを見て、目が合ったエミさんと苦笑いした。
この2人、仲がええのか悪いのか。
ま、仲がええんやろうけど。
「…うるさいで、シャオちゃん、ロボロ。」
「営業成績で勝負やからな、ロボロ。」
「勿論やｯ！」
「いや、うるさ。」
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ネリー(プロフ) - 匿名さん» ふふ、ご来店ありがとうございました！ この作品でお腹いっぱいにして頂ければ何よりです笑 飯テロ頑張って良かった…！！こちらこそ素敵なコメントありがとうございます…！！ (2021年5月31日 18時) (
レス) id: 2de12fe1d7 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - ご馳走様でした…！！！ほんとに描写が凄くて、読みながら想像してお腹空きました…！！！文字で飯テロされたの初めてです；；素敵な作品ありがとうございました！ (2021年5月29日 5時) (レス) id: 6c6ea452a5 (このIDを非表示/違反報告)
ネリー(プロフ) - イさん» 私が参考にしたサイトでは五段階評価でした…！！10段階の評価もあるんですね…！！？？ 是非、口コミ評価も押してあげてください…！笑 親父さんが喜びます (2021年2月26日 17時) (レス) id: 2de12fe1d7 (このIDを非表示/違反報告)
イ - 口コミ４，２ってええの？１０やと思ってた…… (2021年2月26日 16時) (レス) id: 6136328a84 (このIDを非表示/違反報告)
ネリー(プロフ) - みんとさん» ふふ、ご来店ありがとうございました！ 常連たちにご飯を美味しく食べさせるのにはなかなか苦戦したので、そう言って頂いて光栄です！また、提灯を光らせてお待ちしておりますね (2021年1月11日 17時) (レス) id: 2de12fe1d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ネリー | 作成日時：2020年6月18日 1時
