もんじゃの魔法 1 ページ20
「…くりーぱー行きたい。」
「却下。…ショッピくんどーすんねん。」
「…っすよねぇ…。」
街の灯りがちらちら。
そんな午後7時30分。
私はスーツのジャケットを羽織って、鞄を肩にかけながら、ほんの少しため息を吐いた。
別にショッピくんに不満があるわけでは無い。
のだが、お酒を飲めない、というのは中々ハードな課題であるのだ。
「…こんのやろ、毎日のようにくりーぱー行きやがって…マッスルチビがぁ…。」
「うっさいねん！！…しゃーないやろ？シャオロンの飯は食いたないねん！！」
「自分で作れや！！！」
ぎゃいぎゃいと騒ぎながら、ガスガスと叩き合っていると、シャオちゃんがスマホをポチポチと弄りながら呆れたように此方を眺めた。
そのまま、スマホをかざしてくるシャオちゃんに、ロボロと2人、怪訝な顔でスマホをを覗き込む。
「なんや、シャオちゃん。」
「どしたん、シャオロン。」
じいっ、とスマホを見れば、どうやら開かれているアプリは、カレンダーのようだった。
今日は丁度金曜日。
それがどうした、と2人でシャオちゃんに目を移すと、彼は明日の予定に何か文字を打ち込んだ。
ぴこんっ
“休日”
「…あ。」
「…一杯行きませんか。」
「…A、ショッピくん連れて行くで。」
「そのつもりやボケ。」
デスクの隅にあったスマホを引っ掴み、私は急ぎ足でオフィスを飛び出した。
街灯に照らされ、夜も眠らぬ勢いのオフィス街に、1人のOLが嬉しそうに走っているのも、なかなかシュールだが仕方ない。
明日は、休日なのだから。
「ショッピくーん！！！」
「ぬわｯ！！…なんだ、Aさんか…。びっくりした…。」
「ええとこ行くで。ついてきぃ！」
「ええとこ…っすか？」
「ええとこっすよ！」
ぽかん、とした顔のショッピくんを連れ出し、またオフィス街の一角に駆け戻る。
ビルに囲まれた雑多な街の中に、ちょこん、と光る緑の提灯_______くりーぱー。
ほんのりと香る美味しそうな匂いに、ショッピくんが、目を輝かせた。
「…ええとこ、っすね…！」
「おん！…んふ、料理美味しいから、一回食べてみてな！」
からり、と暖簾を上げて引き戸を開ける。
らっしゃいませ…と此方を振り返ったゾムさんが、嬉しそうに顔を明るくした。
「お客さん！！」
「んふ、来ちゃいました…！」
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ネリー(プロフ) - 匿名さん» ふふ、ご来店ありがとうございました！ この作品でお腹いっぱいにして頂ければ何よりです笑 飯テロ頑張って良かった…！！こちらこそ素敵なコメントありがとうございます…！！ (2021年5月31日 18時) (
レス) id: 2de12fe1d7 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - ご馳走様でした…！！！ほんとに描写が凄くて、読みながら想像してお腹空きました…！！！文字で飯テロされたの初めてです；；素敵な作品ありがとうございました！ (2021年5月29日 5時) (レス) id: 6c6ea452a5 (このIDを非表示/違反報告)
ネリー(プロフ) - イさん» 私が参考にしたサイトでは五段階評価でした…！！10段階の評価もあるんですね…！！？？ 是非、口コミ評価も押してあげてください…！笑 親父さんが喜びます (2021年2月26日 17時) (レス) id: 2de12fe1d7 (このIDを非表示/違反報告)
イ - 口コミ４，２ってええの？１０やと思ってた…… (2021年2月26日 16時) (レス) id: 6136328a84 (このIDを非表示/違反報告)
ネリー(プロフ) - みんとさん» ふふ、ご来店ありがとうございました！ 常連たちにご飯を美味しく食べさせるのにはなかなか苦戦したので、そう言って頂いて光栄です！また、提灯を光らせてお待ちしておりますね (2021年1月11日 17時) (レス) id: 2de12fe1d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ネリー | 作成日時：2020年6月18日 1時
