鮭は涙の味がする 6 ページ18
冷蔵庫から取り出した鮭は、丁度4切れ。
それらをふたつ、みっつずつの削ぎ切れにして、酒少々、それから塩をぱらりと振っていく。
水気をとって、10分程度置いておいて。
「ロボロンゴ〜、ソースはどーや？」
「おーけぇ。…できたで、こんなモンでええの？」
「おっけー。」
粒の入ったマスタードとマヨネーズ、それからおつまみにもなるように粉チーズも。
10分待った鮭に塗り込み、アルミホイルを取り出した。
その上に鮭を並べ______オーブンでこんがり焼き上げれば出来上がり。
「…焼き鮭のマスタードマヨソース乗せ、完成したでぇ！！」
「…やるやん。」
「んふ、崇めて、讃えろや。」
梅酒を持ったシャオちゃんが、ほろ酔いになってにへ、と笑った。
学生さんもお茶を片手に、ぱぁぁ…と目を輝かせている。
「さて、頂きましょうかね。」
「はいはい。じゃ、手ぇ合わせてー！！」
『いただきます！』
簡易的なサラダと、焼き鮭、それから白米。
質素な献立だが、果たして学生さんは足りるだろうか_____。
私とロボロ、なんていう化け物が居るから、あらかじめ料理は多めに作ってある。…遠慮せんといてな。
「…んま。」
ぽつん。
学生さんは、鮭を頬張って、びっくりしたように呟いた。
ロボロとシャオちゃんがカラカラ笑って、学生さんを見つめる。
「Aは料理下手やないからねぇ。」
「んふ、良かったなぁ、A。」
若干の悪意を感じながらも、私も鮭に箸を伸ばした。
さくっ
小気味の良い音がして、口の中でマヨネーズとマスタード、それから粉チーズのコクと旨味が存分に広がる。
鮭もその旨味を邪魔しない程度に、存在感を放ち、鼻から香りがすっ、と抜けて行った。
「ん〜！んま。」
「自分で言うか！」
ロボロに笑われながらも、それを肴にビールをひとくち、ふたくち。
つまみは正義。酒もまた正義。
明日から頑張れる_____気がする。
「学生さん_____ってのも変やね。お名前は_____って、あら？」
_______と、学生さんに問いかけた筈が。
何故か、彼はぼろぼろ泣いていた。
白米を頬張りながら、微かに嗚咽を漏らして、泣きながらもぐもぐ、と口を動かしている。
赤く染まった目尻が、なんだか寂しそうで、辛そうで、思わず此方もうるっ、と来てしまいそうになった。
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ネリー(プロフ) - 匿名さん» ふふ、ご来店ありがとうございました！ この作品でお腹いっぱいにして頂ければ何よりです笑 飯テロ頑張って良かった…！！こちらこそ素敵なコメントありがとうございます…！！ (2021年5月31日 18時) (
レス) id: 2de12fe1d7 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - ご馳走様でした…！！！ほんとに描写が凄くて、読みながら想像してお腹空きました…！！！文字で飯テロされたの初めてです；；素敵な作品ありがとうございました！ (2021年5月29日 5時) (レス) id: 6c6ea452a5 (このIDを非表示/違反報告)
ネリー(プロフ) - イさん» 私が参考にしたサイトでは五段階評価でした…！！10段階の評価もあるんですね…！！？？ 是非、口コミ評価も押してあげてください…！笑 親父さんが喜びます (2021年2月26日 17時) (レス) id: 2de12fe1d7 (このIDを非表示/違反報告)
イ - 口コミ４，２ってええの？１０やと思ってた…… (2021年2月26日 16時) (レス) id: 6136328a84 (このIDを非表示/違反報告)
ネリー(プロフ) - みんとさん» ふふ、ご来店ありがとうございました！ 常連たちにご飯を美味しく食べさせるのにはなかなか苦戦したので、そう言って頂いて光栄です！また、提灯を光らせてお待ちしておりますね (2021年1月11日 17時) (レス) id: 2de12fe1d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ネリー | 作成日時：2020年6月18日 1時
