鮭は涙の味がする 4 ページ16
「え、と…知ってますけど…？」
「…そこ、何処にあるか、ご存知で…？」
「ええ、この自然公園を出てすぐにある横断歩道を渡って、右手に少し歩くと見えてくるビルがそうですよ。」
「…！ありがとうございます！」
ぺこっ、と頭を下げ、早足に自然公園を出て行く学生さんを見送りながら、シャオちゃんたちと顔を見合わせた。
折角美味しかったおかずたちが、なんだか少し色褪せてしまったよう。
「…うちの会社、学生の息子さんが居る社員さん居ったっけ…？」
「…さぁ…他の部署には居るかもしれへんけど…営業には居らんで？」
「おん、小学生と、幼稚園、あと高校生の娘さん…くらいやし…。」
シャオちゃんもロボロも首を傾げて、学生さんが歩いて行った方を見つめる。
こんな時間にオフィス街で学生さん、というのだけでも目立つのに、会社まで行ったら相当目立つだろうけど、大丈夫なのだろうか。
そんなに、大切な用事なんかなぁ…。
「ん、ちょ！昼休み終わってまうやん！！」
「なんやて！？…は、はよ、食わな！！」
と、ロボロの悲痛な声がして、慌てて鮭と煮物と白米を口の中にかき込み、咀嚼する間も無く立ち上がる。
オフィス街を走りながら、口の中に広がった鮭の塩味が、どうにも喉に引っかかって消えなかった。
「ん〜…！！終わったぁぁぁ！！」
「ほい、お疲れ。」
かちかち、とマウスをクリックして、げっそりするシャオちゃんと、ぐんっ、と伸びをしてジャケットを羽織るロボロ。
そんな2人の後ろの窓越しに、街の灯りがちらちら灯る夜景が見える。
「あ、やべ、米炊いてないかもしれん…。」
「あれま。…あ、うち炊いとるけど、一緒に食べる？」
「おぉ…！Aんちなら安心やわ…！！行かせてもらお。」
「おっけー。」
「あ、俺も便乗するわぁ。」
｢ほいほい。ええよ。」
ようやく片付いたらしいシャオちゃんも、伸びをしながら手を挙げた。
今日は布団用意した方がええかもしれんな。
疲れなのかなんなのか。妙にテンションあげあげな2人を見て、少し苦笑する。
まぁ、楽しいからええんやけど。
「あんたら、おかず作りは手伝えや〜？」
「ほぉん…俺が手伝ってええんや…？」
「あ、シャオちゃんはお酒ついでてなぁ？ゆっくりしててぇ〜。」
此奴をキッチンに入れれば死ぬ。
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ネリー(プロフ) - 匿名さん» ふふ、ご来店ありがとうございました！ この作品でお腹いっぱいにして頂ければ何よりです笑 飯テロ頑張って良かった…！！こちらこそ素敵なコメントありがとうございます…！！ (2021年5月31日 18時) (
レス) id: 2de12fe1d7 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - ご馳走様でした…！！！ほんとに描写が凄くて、読みながら想像してお腹空きました…！！！文字で飯テロされたの初めてです；；素敵な作品ありがとうございました！ (2021年5月29日 5時) (レス) id: 6c6ea452a5 (このIDを非表示/違反報告)
ネリー(プロフ) - イさん» 私が参考にしたサイトでは五段階評価でした…！！10段階の評価もあるんですね…！！？？ 是非、口コミ評価も押してあげてください…！笑 親父さんが喜びます (2021年2月26日 17時) (レス) id: 2de12fe1d7 (このIDを非表示/違反報告)
イ - 口コミ４，２ってええの？１０やと思ってた…… (2021年2月26日 16時) (レス) id: 6136328a84 (このIDを非表示/違反報告)
ネリー(プロフ) - みんとさん» ふふ、ご来店ありがとうございました！ 常連たちにご飯を美味しく食べさせるのにはなかなか苦戦したので、そう言って頂いて光栄です！また、提灯を光らせてお待ちしておりますね (2021年1月11日 17時) (レス) id: 2de12fe1d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ネリー | 作成日時：2020年6月18日 1時
