鮭は涙の味がする 3 ページ15
「いただきます！！」
ぱんっ、と手を合わせ、割り箸を二つに割った。
白米の上に、でかでかとその身を乗せている鮭が眩しい。
絶対美味いやつや、これ。
箸を入れると、簡単にほろり、と崩れ落ちる焼き鮭。
薄桃色の身を頬張ると、ほんのりと塩味と油をあまり乗せていない鮭が口に飛び込んできた。
これには堪らず白米を一口。
もっちり、ふわっ、と炊かれたお米は、ほんのり甘くて、塩味の香る鮭とはものすごく相性が良い。
「流石やわ…うま。」
「揚げ物が揚げ物やない……んま。」
「豚うっま。…カツ丼食ってみたいぃ…。」
シャオちゃんとロボロの声をふたつ、聞きながら、今度は青いものの煮物を頬張る。
じゅわっ、も口の中で溢れる煮汁。
ほのかに甘みをもつほうれん草と、醤油ベースの煮汁が、またまた白米に合う…！
「…A、唐揚げいる？」
「ええのぉ…？」
「ええよぉ…！あ、その代わり鮭ちょーだい。」
「ええですよ。」
「あ、ちょシャオロンずるい！A、俺にもちょーだい！」
「はいはい。…あ、カツ貰うよ〜。」
増えた茶色に箸を入れる。
さくっ、と衣の崩れる音がして、唐揚げの中の鶏肉がこちらに顔を出した。
ごくん、と生唾を飲み込み、口の中に唐揚げをひとつ。
「んま…ｯ…！！」
「やろｯ！？」
さくっ、と口の中で小気味の良い音を立てる衣と、ぷりっ、とした食感が堪らない鶏肉。
しっかりと鶏肉に付いた、醤油ベースの下味がまたまた白米に合って……倍増にして貰えば良かったなぁ。なんて。
さくさく、と余韻を残す唐揚げを飲み込んで、今度はカツに箸を伸ばした。
ざくっ、と口の中で歯応えのある衣が崩れ落ちる。
中の豚肉は、唐揚げとは違ってとろとろ。
柔らかく溶けていく中に、衣がちゃんと存在感を残して消えていく……カツ丼食べてみたい…かも。
「揚げ物って美味しいんやね…。」
「揚げ物は正義やわ…。」
「お前ら、食い過ぎには注意な…？」
シャオちゃんの呆れた声を聞きながら、ロボロとカツを頬張っていると、お弁当に影が差した。
「…すみません。」
顔を上げると、少しだけ困ったように顔を曇らせた学生がいた。
そう、あの…さっき見た、学生さん。
さくさく、と咀嚼していたカツの味も忘れて、ほんの少し目を見開いてしまう。
「は、い？」
「…〇〇の株式会社…ってご存知ですか。」
「〇〇の株式会社って__。」
うちやん。
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ネリー(プロフ) - 匿名さん» ふふ、ご来店ありがとうございました！ この作品でお腹いっぱいにして頂ければ何よりです笑 飯テロ頑張って良かった…！！こちらこそ素敵なコメントありがとうございます…！！ (2021年5月31日 18時) (
レス) id: 2de12fe1d7 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - ご馳走様でした…！！！ほんとに描写が凄くて、読みながら想像してお腹空きました…！！！文字で飯テロされたの初めてです；；素敵な作品ありがとうございました！ (2021年5月29日 5時) (レス) id: 6c6ea452a5 (このIDを非表示/違反報告)
ネリー(プロフ) - イさん» 私が参考にしたサイトでは五段階評価でした…！！10段階の評価もあるんですね…！！？？ 是非、口コミ評価も押してあげてください…！笑 親父さんが喜びます (2021年2月26日 17時) (レス) id: 2de12fe1d7 (このIDを非表示/違反報告)
イ - 口コミ４，２ってええの？１０やと思ってた…… (2021年2月26日 16時) (レス) id: 6136328a84 (このIDを非表示/違反報告)
ネリー(プロフ) - みんとさん» ふふ、ご来店ありがとうございました！ 常連たちにご飯を美味しく食べさせるのにはなかなか苦戦したので、そう言って頂いて光栄です！また、提灯を光らせてお待ちしておりますね (2021年1月11日 17時) (レス) id: 2de12fe1d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ネリー | 作成日時：2020年6月18日 1時
