鮭は涙の味がする 2 ページ14
「焼き鮭弁当、500円や、です〜。」
「ほえぇ…ワンコインはお財布にやさすぃ〜ね…。」
お財布から500円玉を出しながら、お弁当の入ったビニール袋を受け取った。
シャオちゃんもロボロもそれぞれ、唐揚げ弁当、かつかつ弁当買って_______つけ麺どこいったんやろ。
まぁ、ほくほく顔の2人にそれを言うのも気が引けて、気づいてないフリして、ビニール袋をゆらゆら揺らした。
________と。
視界の隅に、なんだかオフィス街では珍しいものを見た気がして、ふと、振り返ってみた。
シャオちゃんも私の視線に気付いたのか、お弁当のビニール袋を揺らして、其方に目線を移す。
「…あれ、って…学生さんよな？」
「せやね、あのブレザーやと…我々中学？やないの。」
「…何で学生さんが今みたいな時間にオフィス街に、居るんやろ…？」
そう。
珍しいものとは、ブレザーだった。
亜麻色の髪をさらさら、と靡かせ、長い足で颯爽とオフィス街を歩く様は、そこいらのサラリーマンよりは何倍もカッコいい。
しかし、身長的にも中学か、高校生だ、と伺えるし、あまり顔色も良くないし。
…何かあったのだろうか。
心の底に眠る母性とやらが顔を出し、名前も知らない学生の心配をしてしまう。
「まぁ、俺らには分からん理由があるんやない？…Aもそんな気にしなくてもええと思うで。」
「…まぁ、そっかぁ…。」
学校のある時間に此処に居るくらいだし、まぁ、彼にしか分からぬ理由があるのだろう。
シャオちゃんの言葉になんとか納得し、私たちはその学生に背を向けた。
「さて、今日は何処で食べよか？」
「自然公園がええわぁ…。あそこ木陰が涼しいんやもん。」
「んふ、ええなぁ、それ。」
のんびりとロボロが呟き、はた、と足を止める。
シャオちゃんと2人でどしたん？と振り返れば、ロボロは仏のような笑みを浮かべて一言呟いた。
「つけ麺は？」
「あ。」
「…忘れとったねぇ…。」
あっ、と言う顔をするシャオちゃん、苦笑する私。
ロボロは、少し頭を掻いた後、仕方ないわな！と豪快に笑った。
「まー、くりーぱーの方が美味いんやろー？」
「まぁなぁ…？…さ、自然公園行こかー。」
自然公園は、平日のお昼時ともあって、サラリーマンやOLの人たちで賑わっていた。
私たちもその賑わいに足を運び、木陰のベンチに並んで座って、いい香りのビニール袋をちら、と見つめる。
ごくん。
生唾を飲み込んだ。
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ネリー(プロフ) - 匿名さん» ふふ、ご来店ありがとうございました！ この作品でお腹いっぱいにして頂ければ何よりです笑 飯テロ頑張って良かった…！！こちらこそ素敵なコメントありがとうございます…！！ (2021年5月31日 18時) (
レス) id: 2de12fe1d7 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - ご馳走様でした…！！！ほんとに描写が凄くて、読みながら想像してお腹空きました…！！！文字で飯テロされたの初めてです；；素敵な作品ありがとうございました！ (2021年5月29日 5時) (レス) id: 6c6ea452a5 (このIDを非表示/違反報告)
ネリー(プロフ) - イさん» 私が参考にしたサイトでは五段階評価でした…！！10段階の評価もあるんですね…！！？？ 是非、口コミ評価も押してあげてください…！笑 親父さんが喜びます (2021年2月26日 17時) (レス) id: 2de12fe1d7 (このIDを非表示/違反報告)
イ - 口コミ４，２ってええの？１０やと思ってた…… (2021年2月26日 16時) (レス) id: 6136328a84 (このIDを非表示/違反報告)
ネリー(プロフ) - みんとさん» ふふ、ご来店ありがとうございました！ 常連たちにご飯を美味しく食べさせるのにはなかなか苦戦したので、そう言って頂いて光栄です！また、提灯を光らせてお待ちしておりますね (2021年1月11日 17時) (レス) id: 2de12fe1d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ネリー | 作成日時：2020年6月18日 1時
