風邪の妙薬はプリンである 7 ページ12
「いただきます。」
少し熱いんで気ぃつけてください、と店員さんの注意を聞き流し、私とロボロは一直線にスプーンをプリンの表面に突き立てた。
ぷるん
いつかの冷奴のように、スプーンの上で踊るように揺れた白いプリン。
カラメルの焦げ茶がほんのりと色付き、白と茶のコントラストが美味しそうな見た目に拍車を掛けている。
なんとなく夜のお菓子、なんて背徳感があって、それもまた一興か。なんて。
ええい、早く食べればゼロカロリーじゃ！
ふるふる、とゆれるプリンを冷たいスプーンと共に口の中に放り込んだ。
「んま…。」
誰からともなく漏れだした声に、同じくプリンを頬張る店員さんも少し照れたように頬をかいた。
本当に美味しいのだ。…20分という手軽さなら、わざわざ市販のものを買う必要なんて、無いかもしれない。
出来たてだからこそ楽しめる熱々のプリンと、滑らかな口当たり、それから苦味を絡ませるカラメル。
甘過ぎなく、優しい甘みの味加減は、流石プロ、といったところだろうか。
しかし、どこかのお菓子屋のような、滑らかな口当たり。これはどうやって______？
「濾すと、すごく滑らかになるんやで。…3回がオススメかなぁ…。」
「…店員さん流石や…めちゃ美味しい。」
「んふふ、有難いお言葉やわぁ…。」
嬉しそうに破顔した店員さんに、笑って見せて、シャオちゃんに目を移す。
さて、彼の反応はどうだろうか。
「…プリン、風邪の時に食うとものすごく美味しいんや。…なんか、不思議な味すんやろな。」
食べていた白いプリンを見下ろし、嬉しそうに微笑むシャオちゃん。
そう、彼は体調を崩すとすぐにプリンを欲しがる。
どうやら家では、ずっとプリンが風邪の時の妙薬と言われていたとか。
まぁ、あながち間違いでは無いけれど。
「んまい。…ありがとう、店員さん。」
「んふ、どーいたしまして、お客さん。」
「そう言えば、店員さんのお名前は？」
「ん、俺の？」
「うん。…貴方の名前は？」
「ゾム。あだ名でゾムー呼ばれてるから。」
プリンのマグカップ片手に、へへ、と幼く笑ったゾム…さん。
そんな彼が作るプリンが、1番の妙薬だったりしてね。
あるわけないけど。
そう思えたら、素敵だなぁ、とか。
「プリン、美味しかった…です。」
「料理人としてそれが1番嬉しいですわ。」
彼の妙薬は、料理に対する褒め言葉みたいね。
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ネリー(プロフ) - 匿名さん» ふふ、ご来店ありがとうございました！ この作品でお腹いっぱいにして頂ければ何よりです笑 飯テロ頑張って良かった…！！こちらこそ素敵なコメントありがとうございます…！！ (2021年5月31日 18時) (
レス) id: 2de12fe1d7 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - ご馳走様でした…！！！ほんとに描写が凄くて、読みながら想像してお腹空きました…！！！文字で飯テロされたの初めてです；；素敵な作品ありがとうございました！ (2021年5月29日 5時) (レス) id: 6c6ea452a5 (このIDを非表示/違反報告)
ネリー(プロフ) - イさん» 私が参考にしたサイトでは五段階評価でした…！！10段階の評価もあるんですね…！！？？ 是非、口コミ評価も押してあげてください…！笑 親父さんが喜びます (2021年2月26日 17時) (レス) id: 2de12fe1d7 (このIDを非表示/違反報告)
イ - 口コミ４，２ってええの？１０やと思ってた…… (2021年2月26日 16時) (レス) id: 6136328a84 (このIDを非表示/違反報告)
ネリー(プロフ) - みんとさん» ふふ、ご来店ありがとうございました！ 常連たちにご飯を美味しく食べさせるのにはなかなか苦戦したので、そう言って頂いて光栄です！また、提灯を光らせてお待ちしておりますね (2021年1月11日 17時) (レス) id: 2de12fe1d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ネリー | 作成日時：2020年6月18日 1時
