現実 ページ15
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宮舘さんの運転で着いた家はとても立派で、
いかにもお金持ちのような印象を受けた。
阿部くんの父親らしき人に出迎えられ、阿部くんの前へ。
写真の中で微笑む阿部くんは
初めてあった時の笑顔そのもので、
隣には真っ白な骨壷が置いてあった。
もういないと言う事実が現実味を帯びてきている中
立ち昇る線香の煙を眺めていると、
「もし宜しかったら、亮平の部屋見てください…」
正直似ているとは言えない
父親らしき人が2階の部屋を指指す。
佐久間くんはうんともすんとも言わずに、
まるで自分の家かのように部屋へ向かっていった。
それに続いて会釈をしてから向かった。
キレイに整頓された部屋は、
びっしり小説や参考書が詰まった本棚や
デスクトップパソコン等阿部くんらしい部屋だった。
来たから何かわかるわけでもなく、
その場で立ち尽くしていると
佐久間くんは机やクローゼットを開けたり、
参考書をパラパラパラと捲ったりして部屋を物色し始めた。
「おおい、阿部ちゃんの部屋散らかすな」
深澤さんの静止など一切聞き入れずに物色し続けている。
何してるの？
佐久間くん？
何度声をかけても無視。
そう言えば、
"今度退院したら佐久間に直接、
隠してる物ない？って聞いてあげて＿＿"
"あと、ふっかと舘様にも隠し事しないでって
言ってみて＿＿"
聞くのなら今しかないと思った。
『あの……入院中に阿部くんに夢で…
3人に隠してる事ないか聞いてって言われて……』
『何か隠してるなら教えてください』
佐久間くんの耳にも入るように少し大きめの声で話した。
するとぴたっと動きを止めてこちらに振り返る佐久間くんと
目を見合わせる深澤さんと宮舘さん。
「阿部ちゃんの……日記、探してる。
本体は無くても紙切れだけでもって、」
聞けばそれは生前阿部くんが毎日付けていた日記で、
死ぬ前には処分すると毎度のように言っていた物だった。
案の定引き出しやクローゼットには無く、
今に至るらしい。
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chirua(プロフ) - ゆりあさん» お読みいただきありがとうございました。エンドの捉え方は読み手様に委ねる作品にしたかったので、そう感想を頂けて大変嬉しく思います。是非思い出した時にでもまたお読みいただければ幸いです、ありがとうございます︎☺︎ (3月12日 16時) (
レス) id: 9ab6ec17b9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりあ(プロフ) - chirua様、久々に涙を流させて頂きました。どちらも望む未来を手に入れた、ハッピーエンドと言えばそうなのですが、どこか心に残り続けるしこりのような物がある、定期的に読み返したくなるお話だと感じました。生死の価値観は人それぞれ。心が洗われました。 (3月12日 11時) (レス) @page48 id: c528d0e93e (このIDを非表示/違反報告)
chirua(プロフ) - にふらー__病み期突入さん» お読み頂きありがとうございました！にふらー様の息抜きになれましたら幸いです、こちらこそありがとうございます︎☺︎ (8月10日 12時) (レス) id: 9ab6ec17b9 (このIDを非表示/違反報告)
chirua(プロフ) - 椎名さん» お読み頂いてありがとうございました！通知が埋もれてしまいすぐお返事出来ず申し訳ないです…。そう言っていただけるととても嬉しく思いますありがとうございます；； (8月10日 11時) (レス) id: 9ab6ec17b9 (このIDを非表示/違反報告)
にふらー__病み期突入(プロフ) - いろいろメンタルやられてて、息抜き程度にみていたらものすごく感動できる作品で、涙が止まりませんでした(笑)素敵な作品ありがとうございました。 (8月9日 23時) (レス) @page48 id: 0af72557f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：chirua | 作成日時：2022年10月2日 22時
