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「そう言えばあの時の男の子達ってずっと仲良かったっけ？」
『え？あ、ううん。最近だよ』
ベットに寝転がってお互い天井を見たままこそこそ話。
少し間が空いたときに佐久間くんと阿部くんのことを聞かれた。
「どっち？」
『どっちって？』
「もう、とぼけないでよ」
『ん、？』
「どっちが好きピ？」
『す、好きピ！？！』
姉からの思わぬ問に小さな声が上擦った。
そんな私を他所に、
「ほらほら、低身長だけど腹筋割れてそうな子と、
高身長で頭良さそうな子、どっち！」と。
どうやら名前は認知しきれてないみたいだった。
「お姉は低身長の子が良いね」
『佐久間くん派なんだ……』
ぼそっとつい名前を口走ると
あ！とお姉が言葉を発した後にフリーズした。
姉がフリーズした時は大体において何か思い出したとき。
それは良くも悪くも正確に思い出してくる。
「確か高身長は阿部くんだよね。
…佐久間くんが途中で帰って…阿部くんは残って、て…」
『…何』
「はっ……！！もしかしてもうかれぴ！？！？もーはやく言ってよ〜」
何も言ってないのに妹の事となると、
妄想が膨らみすぎて収集がつかなくなっているこの姉。
かれぴってまだ言うんだ…じゃなくて、
『彼氏じゃないって、阿部くんに失礼だよ』
むしろあの風貌なら本来女子に囲まれててもおかしくない。
「え？でも女の部屋でふたりき…」
『あー煩いお姉きらーい、もう寝る』
「え、ちょ、違うじゃんちょっと…まっ」
姉に痛いところを突き刺される前にそっぽ向いて寝た。
寝るふりだけど。
あの日の事は良くも悪くもあまり思い出したくない。
今更になってあの時の阿部くんの行動が不思議で、
気になって…なんかよく分からない。
咄嗟に抵抗しなかった自分もわからないし。
ぐるぐる考えている間に
いつの間にか寝落ちしてしまった。
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作者名：chirua | 作成日時：2022年8月7日 17時
