生きたい彼女と死にたい彼。 (ページ41)

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好？ページ41

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次の日

曇天の空を見ながら

相変わらずぼんやり過ごしていると

阿部くんからメッセージが来た。

電話がしたいと言われた。

リハビリを開始するにあたって

少しだけならと動く事を許可されていたため、

フロア内の共同スペースに移動した。

大きい声で話さなければ電話も大丈夫だ。

『もしもし、』

「"あ！Aちゃん、ごめんね突然"」

『ううん、退屈してたから嬉しいよ。どうしたの？』

「"いや特別用があるわけじゃないんだけどさ、その…"」

少しの間があった。

何も音がしなかったから間違えて切ったのかと思って

一度耳から話して画面を確認した。

いや、繋がってる。

『阿部くん、？』

「"あ、えっと……謝りたくて……"」

『……？』

「"あの時の…俺が部屋でしちゃった事、改めて謝りたくて"」

部屋でしちゃった事。

その一言で察しが付いて顔が硬直して赤面する。

やっと忘れたと思ったのに

仕舞い込んだ箱を盛大にひっくり返された。

『全然、怒ってないよ……？』

「"それは、何となく……
でも！男としてするべきじゃなかったって思って。
彼氏でもないくせにさ…。本当にごめんなさい！"」

『もう本当に謝らないで…！』

嫌じゃなかったし、謝られると逆に申し訳なってくるし……

「"……嫌じゃなかった、ってどう言う、？"」

『えっ！！？』

口に出ていた事に今気がついて口を塞ぐ。

勿論とき既に遅し。

これじゃまるで好きみたいじゃん。

あたふたしながらどう言い訳しようかと

あ、えっと！その！

と繰り返していると電話越しに聞こえる笑う声。

「"んふふふふ、ふふっ"」

『……阿部くん？』

「"ふふ、ごめんね？
思ったより元気だったから安心して笑っちゃった"」

特に疑ってた訳ではないけど、

阿部くんが心配してくれていたんだと改めて実感した。

死にたい自分の心配しなよとは言わないけど、

それくらいの心の余裕はあるのかなってこっちも安心した。