生きたい彼女と死にたい彼。 (ページ28)

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『結局佐久間くんだってサボりじゃん、まだ5時間目の時間だよ？』

「阿部ちゃんいない学校楽しいと思う！？」

「俺学校にはいたからね？
最初の2日と今日は休んだけど……ひっそり生活してただけで…」

学校いたのかよ……。

ん……？ふたり同クラじゃないの？

と咄嗟に質問すると、阿部くんが

佐久間1組だよ。4階。と。

私達2から5組までは3階、2年3年の1組は4階。

2年3年の1組だけが4階にいるのは、

特別進学科という大学進学を目的として猛勉強しているクラス。

阿部くんが2組の普通科なのに、佐久間くんが1組だと…？

私が混乱して頭を抱えていると阿部くんが一言。

「俺は進学したくないから普通科にしただけで
佐久間よりは勉強できるよ。逆に佐久間は1組の底辺だから」

とバッサリ。

「ちょっと言わないでよぉ！！これでも頑張ってるんだから！！」

「数学31点が？」

「赤点じゃないもん！！」

「特進は赤点45点だろうが！！」

秘密だけどこれでも佐久間くんの方が

年上だなんて信じられない。

それでも想像通りの頭脳をお持ちのふたり…

と呆れ返っていると、サボっていた佐久間くんに

学校から今すぐ戻って来いと電話が掛かってきた。

補習溜まりまくってるのに何してるんだ！と。

スマホをスピーカーにしてないのにもかかわらず

聞こえてくる先生の怒号。

震え上がって風のように去っていった。