生きたい彼女と死にたい彼。 (ページ24)

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彼。ページ24

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あの日からずっと感情をぶつけてきた一人とは

一切口を聞かなくなった。

大切な話を後回しにした自分に責任を感じて

話しかけに行けないし、

あっちは不満が途切れないのか避けて行く。

中立を保つ二人は行ったり来たりだけれど、

3:7で基本あっち側。

改めて言うが自業自得だ。

それにギクシャクした時に限って体調がすこぶる良い。

嘘だと思われても、もはや仕方ない。

結局私には他の拠り所ができてしまったから。

7月の上旬が終わりかける頃、阿部くんが休んだ。

2日連続音信不通だった。

私はと言うと処方された薬を時々飲みながら、

普段通りの生活をしていた。

「不在着信3個目以降はいつも出るのにさあ〜…心配…」

『佐久間くん掛け過ぎなんじゃないかな…？』

「だってさ、！……あ、これは秘密だ、ごめん話せないや」

『ふふ、大丈夫。ほんと素直だね』

佐久間くんに連絡してふたりで帰路に着いた。

この時期は徐々に気温は上がってきていて、

夕方だと言うのに汗ばんで気持ちが悪い。

佐久間くんもあち〜と言って

ポンパにした前髪をふよふよさせながら歩いている。

向かう先はコーヒーショップ。

佐久間くん曰く、相当阿部くんがお気に入りの店のようで、

一緒に帰ると3日に一回は必ず寄るんだそう。

だからこそふっかなら知ってるかも！と

目を輝かす佐久間くんと少しばかり気を持って向かった。