episode 4 ページ5
「……」
「……。」
暫しの沈黙が広がる。
にしても。
この女性は私ですら見たことは無い。
つまりはポートマフィアの上層部の人間ではないということ。
……服装から見るに20代あたりに見えた。
女性は私の横の横の席に腰をかけると、バーテンダーで1人ため息を漏らした。
「Aさん、お疲れ様ですね今日も。」
「店長もお疲れ様です」
バーの店長と仲の良さそうな会話を広げていることから読み取るに、ここの常連客なのだろうか。
「……すみませんね、織田作、という方ではなくて。」
女性は私の視線に__と言っても3秒ほどの黙視に
気づいたようで。
ぺこりと頭を下げるが、欠片も申し訳なさを感じない。
「いや、こちらこそ済まない。」
今回は私が悪い。完璧に織田作だと思った。
店長はクスリ、と笑うと彼女を見て、一言話した。
「___随分と怒ってらっしゃりますね、A」
「……別に。」
彼の声が差し金になったのか、彼女はそっぽを向く。
黒いセミロングの髪に、赤い瞳がなかなかに様になっていて。
「お嬢さん、名前はなんて言うのかな?」
口から出た言葉に、自分でもおどろいた。
しかし気になってしまったのだ。彼女が。
ここまで自分に興味を持たない彼女に、気になってしまったのだ。
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紅蒼(プロフ) - 面白いです!更新を気長に待っています! (2018年9月8日 23時) (レス) id: f70065e07d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あや抹茶 | 作成日時:2018年8月4日 23時