マーレの戦士 ページ11
過去の話
マーレにいた頃のAちゃんとみんな
やっぱりライナーに過保護だし贔屓してる
Aちゃん口悪い
.
「ねぇA
ライナーと世界を天秤にかけるとして、Aはどっちを取る？」
「…なに、その質問」
「うーん、…気になっただけ」
「…ライナーだよ、私は世界を捨ててでもライナーをとる」
「あはは〜、そう言うと思ったよ。その態度ほかの前でも崩さないんだからすごいよね」
ピークがそう言って笑うのをAは目を伏せながら見やる、ピークの質問に深い意図は見受けられず、本当に興味があっただけのようだった。
Aは気まぐれなピークにはもう慣れてしまっている、なにより質問が質問だった。
究極の質問と言ったがあれは嘘だった。
おそらく本当に己は、世界と恩人であれば迷わず恩人を取ってしまうような薄情な女であるから。
「いきなりどうしたのよ、ピーク」
「…最近のライナーの扱いは知っているでしょ？あなたが暴走しないようにって言われてるからね」
「…ふぅん、自覚はあるのね」
Aは薄らと目を細めて口角を上げた、その顔にピークは冷や汗を垂らし、苦笑いをしてAを宥めた。
まだAが行動を起こす気は無いらしく、ピークも内心ほっと息をつきながらAの話に耳を傾けた。
「…にしてもAってば強くなったね」
「みんなに置いていかれるのはごめんだったからね」
「そもそも私がここでこんなふうに話してるのもAのおかげだもんね。ほんとにA様々だよ」
「当たり前じゃない、友達なんだから」
そう言ってAはベッドの上に体育座りになり、小さくまるまって拗ねたように頬をふくらませた。
こういうところは変わってないけど、とピークが楽しそうに笑い、その頭を優しく撫でてやる
「ピーク？」
「ううん、なんでも。それにしてもAの部屋何も無いね」
「あ…まぁ、今も今までも戦争ばかりでそんな暇なくて手」
「そうだ！買い物行こっか！」
そう言ってピークがいきなりたちあがり、Aの手を引いた。Aは焦ってブーツを履き、こくんと頷いてピークのあとを追った
しかし最近まで四足歩行であったピークがふらりとよろけ、Aがそのからだを抱き留める
「…あと逞しくなったよね」
「そう？」
「うん、すごいそう思う」
誰彼構わずやるなら問題だな、とピークが頭を抱えるがAは意味を理解できず、首を傾げるばかりだった
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作者名：ふりこ | 作成日時：2022年3月3日 14時
