【鬼滅の刃】祭りの神誕生秘話 (ページ4)

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「しッかしお主の顔！随分と派手な顔に生まれたのぉ！」
「派手…？何言ってんだ、あんた」
「わははは！そりゃこちらのセリフじゃ！お主らは妾の‘’継子”になるんじゃから師範との雑談くらいせんか！」
「…‘’継子(つぐこ)”？」
「なんじゃ、妾に着いてきたいと言ったのはお主のくせに…まさか何も知らんのか？先に名乗ったじゃろう、妾は鬼殺隊音柱、まぁなんじゃ、簡単に言えば妾は偉いんじゃ」

まぁ神と呼べ。と女は赤い髪の毛を揺らしてそういった。まきをが怪訝そうな顔で女を見つめ、須磨は不安そうに俺の服を引いた。ただ一人、雛鶴だけは女をしっかりと見つめていた。

「…で、本気で俺たち匿うつもりかよ、彼岸さん」
「勿論！それにお主らは……いいや、なんでもない。とにかくお主ら、その血なまぐさい体をどうにかせにゃならんな」

彼岸さんは下唇を突き出して拗ねたような顔をしながら俺たちをじろりと見回した。そうだろうか、と体の匂いを嗅げば確かに血の匂いがする。
これは先程の化け物の血なのか、それとも俺の肉親の血なのか。
そうふと考えたところで彼岸さんが雛鶴の手を引いて歩き出した。出会ったばかりの素性もしれぬ女に嫁の手を取られるとは、なんという不覚。咄嗟に間に割り込んで雛鶴を守るように立った。

「おいおい、手なんか繋がなくても」
「お主が歩き出さんからじゃろ、妾は力も強いが、お主のような巨体を担ぐ気にはならんの」

それに、と彼岸さんさ猫のように目を細めて笑った。

「とって食いやしない、信じられんのなら信じんでいい、ともかくお前たちに寝床と三食用意してやると言うとるのじゃ」
「……お前の屋敷は？」
「おぉ、おぉ！ようやく心を開いたか！」

お主からは警戒の音しかせんかったから嬉しいわい、とジジクセェ喋り方で喜んだ女は今度こそ歩き出した。先程の素早さや、力強さを一ミリも感じさせない天然じみた歩き方だった。なんなら鼻歌を歌ってる、馬鹿なんだこの人

「ふふ〜ん、ギョウメイにも自慢しなくてはな！」
「ギョウメイ…？」
「妾の子分じゃ！」
「…ふふふ、なんだか面白い方に拾われましたね、天元さま」

雛鶴が楽しそうに笑いながら彼岸さんを見つめていた。ちらりと須磨を見れば彼岸さんに習って鼻歌を歌い出しているし、まきをも居心地は良さそうだ。
まぁ俺の判断は間違いじゃなかった、そうとだけ結論づけて馬鹿な女の後ろ姿を追いかけた。