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「お主ら夫婦じゃったな?なら一緒に風呂にでも入ってこい!」
「え、は!?」
「安心せい、妾の屋敷は汝等が入ったところで縮まりはせん!」
妾は服を用意する!なんて言いながら女は俺たちを風呂場に案内し、消えて行った。デカい、たしかにでかい。俺が前住んでいた屋敷とどっこいどっこいだろうか。いや、人がいない分それよりも広く見える。
彼岸さんの言う通りちゃっちゃと血の匂いを落とし、俺は嫁達にゆっくりするよう伝えてからすぐに風呂を出た。そこには既に着替えが置いてある。用意周到だなぁ、おい。
「お、終わったか?」
「…あぁ、着替えまですんません」
「わっはは!敬語なんざ今更じゃろう!妾とお主らは血が繋がらずとも家族になるんじゃからもっと肩の力を抜くといい!」
そう言って大きな声で笑う女に、確かに俺の肩からは力が抜けた。ふぅ、と変な緊張が消えるとなんだか頭が正気に戻ってくる。
「…なぁ、鬼ってのは…」
「おぉ、そこからじゃったな。お主は忍の出じゃろう。知らんとも無理は無い」
「…」
「そうさな、鬼というのはまぁ簡単に言えば人間を食らう化け物じゃ。そしてその始祖である男が‘’鬼舞辻無惨”我ら鬼殺隊が長い年月をかけて追い続けている男の名じゃ。」
‘’鬼舞辻無惨”‘’鬼の始祖” 聞きなれない言葉に首を傾げそうになるのをこらえ、俺はコクリと深く頷いた。そうしないと俺の頭はあまりの混乱にヒートしそうだったから。
彼岸さんはそれがわかったのか、目をまん丸くした後にまた腹を抱えて笑い出した。
「は、!笑うなって!」
「わっはは!まるで借りてきた猫のようじゃのぉお主!」
「彼岸さん!」
「なんじゃ他人行儀じゃのぉ、師範と呼ばんか師範と!」
バシバシ!と勢いよく背中を叩かれる。普通にいてぇ女の拳だとは思えないくらいいてぇ。須磨なら一発で泣くな。と考えたところで言われた言葉が脳に追いついてきた。
師範、まさか師範と言ったか
「
「うむ、妾に弟子入りとはそういうことじゃろう。先も説明した通り鬼殺隊とは鬼を狩る事が仕事。しかしそれは簡単なことでは無い。
…一歩踏み入れたのだ、もう戻れんぞ。嫁を守りたくばお前が強くなれ」
「!」
バカそうな女だと思っていたのに、随分と真剣な面で俺を見つめてくる。
見定められているような気がして俺は背筋を伸ばし、音も立てずに三つ指を着いて頭を下げた。
「頼む!!俺を最強にしてくれ、師匠!!」
「あい分かった!貴殿の頼み、とくと受け入れようぞ!」
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パンナコッタ - すごく続きが気になります!更新頑張ってください! (5月15日 2時) (レス) @page5 id: 3cc5d637ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Strawberry | 作成日時:2023年4月26日 22時