恋人�� ページ21
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「承太郎ｯ!Aｯ!そいつをジョースターさんに近づけるなｯ、そいつから出来るだけ遠くへ離れる！」
『アイアイサー』
Aはそう軽く返事をした途端、脇腹をダンによって蹴り飛ばされる
唐突なことにガードなんて全くもって出来ずにそのままAは路上へと投げ出される
「Aｯ」
「なんだぁ承太郎？なんか言いたいことでもあんのかよ？」
Aはもろに大男の蹴りを食らったせいで呻き声を上げて口から血を少し吐き出した
『っ…いいか、これからアタシのことは一切気にするな、承太郎。』
わかったな。とAに言われてしまっては黙るしかない、承太郎は押し黙ってAと共にダンの命令に大人しく従っていた。
承太郎に関しては橋になれと無茶振りをされるわ背中をかけと雑用を申し付けられるわ時計盗まれるわ靴磨きをさせられるわで散々
Aにおいては延々とセクハラの連続である。
承太郎がAに思いを寄せているのを知ってか知らずか分からないが、ことある事に腰に手を回し手を触り顔を弄くり回し挙句の果てには唇に深い方のキスを落とした
ただ稀に苦痛に歪む顔がどうとか言って殴られるし蹴りも入れられる
Aはどんどん不満を募らせて目を釣りあげている
そんななか承太郎はメモ帳に文字を書き込んでいた
それに気づいたダンがメモ帳を取り上げる
そこには
《腹を殴られた》《石で殴られかける》《Aの手に怪我を負わせた》《財布を盗られた》《馴れ馴れしくAの腰に手を回した》《Aにセクハラ紛いのことをしていた》《蹴りを入れられた》《ドブ川の橋にされ散々足で踏まれた》…などと不満が描き募られていた
よくやった承太郎、と言いかけてAは口を閉じる
もう正直この男のことをどうでも良くなっているのである
今更女らしく嫌がる気も起きないし何を隠そう私は4年前には女を捨てたのである。
だから慣れれば何も、……
「お前に貸しているツケさ。必ず払ってもらうぜ…
忘れっぽいんでな。メモってたんだ」
承太郎は口角を上げたままでそう告げる
その目が気に入らなかったのかダンは承太郎の頬を平手打ちで叩き上げた
そして次は承太郎を脅した上で宝石店の腕輪を盗ませ、何も知らぬ店主たちに殴らせる
それには黙っていられなかったAが眉間に皺を寄せたまま承太郎に近づこうとするとダンがそのAの手を掴む
ぎし、となりそうなほど強く掴まれた手首が傷んでAはぐっと顔を顰めた
「さっきから反応が悪いじゃあないかA」
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作者名：Strawberry | 作成日時：2020年5月9日 14時
