番外編 ページ34
Adamが入れ替わる話
·
「Adam？」
「…？」
「あら？珍しいのねAdam、こんなに早く目を覚ますなんて！……Adam？大丈夫？」
「…てんし、さま？」
「！！！？？」
びっくりしすぎて思わず飛び退いてしまった。Mephistoは目を丸くさせながらベッドに横たわるAdamらしき人物を見つめていた。いや、AdamらしいというかAdamそのものなのだが、羽も生えていなければこちらを見る目も純粋だ。
「……なんか、あなた昔に戻ったような…」
「わ、嘘だ、今日天使様に会える日だったか…！？」
「ま、待つのですAdam！そのままじゃ…！あぁ…」
焦って後ろに後ずさったせいでAdamがベッドから落下していくのをMephistoは無力にも見つめていた。
昨晩お楽しみだったせいでMephistoはAdamの上着を羽織っているだけだし、Adamの方なんて素っ裸だ。だから違和感もないのだろうか
「Adam、よくお聞きなさい」
「は、はい」
「ここは未来ですわ、あなたは未来に来たのです」
「……はい…」
相手がMephistoでなければ何言ってんだこいつ、と声に出していたところだが天使であるMephistoが言うならそうなのだろう。それにしては物騒な牙が生えているし耳も尖っている気もするが、ほぼ自分の知っているMephistoと変わりは無い。
「未来、ですか」
「えぇ、そう。」
「…天使様のその、首の跡は」
「首の跡ね、それはね……って！ななななんでもありませんわ！けっ、決してわたくしとAdamが朝方までセッ×スしていたとかそうでは無いですわよ！！」
「……(そうなんだ)」
「ごっほん！！…一体どうして昔のAdamはここに来たのかしら、向こうで何かあった？」
「……確か、天使様と別れてすぐ眠くなって。そのまま…」
Adamがそう言ったのを聞いて、Mephistoは少しだけ目を見開いて記憶をたどった。そういえば昔、Adamによく似た天使にあったことがあるような無いような…昔と言えど何万年も前の話ではあるが。
「そう…一体何が原因なのかしらね…」
「あ、あの。」
「ん？」
「…俺は、…いや私は、今もあなたの傍に居られていますか」
「…え？」
Adamの必死な表情に、Mephistoは目を見開いた。だってそうだろう、この頃のAdamがMephistoと共に居たがるなんてそんなこと考えもしていなかったのだから。
「…えぇ、一緒にいるわ。…だってわたくし、貴方が好きなんですもの」
「そうですか……えぇっ！！？え！？は、え！！？」
クスクスと笑うMephistoを、Adamは驚いたように大きく目を見開いて見つめていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 189人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
匿名 - ああ〜っ！！！！推しが今日も尊い〜っ！！！！貴方様の作品が私の生きる糧……、推しの供給少なすぎる中での癒しです……。 (3月16日 21時) (
レス) id: 0e669f45e3 (このIDを非表示/違反報告)
ふりこ(プロフ) - ぬこさん» そのお言葉すっごく嬉しいです〜！！皆様に楽しんで分かりやすく読んでもらえるのが一番なのでこれからも精進します！二回もコメント嬉しいですありがとうございます！ (3月6日 20時) (レス) id: ea9e40fa3e (このIDを非表示/違反報告)
ふりこ(プロフ) - もなさん» わーんありがとうございますー！！一応区切りは着きましたがいかがだったでしょうか！？まだ続く予定なのでこれからもよろしくお願いします！ (3月6日 20時) (レス) id: ea9e40fa3e (このIDを非表示/違反報告)
ぬこ - 更新お疲れ様です！いつも楽しく見させていただいてます😊 過去話とても楽しみです♪応援しています。 (3月6日 19時) (レス) @page25 id: 6dcb98b8f2 (このIDを非表示/違反報告)
ぬこ - この作品に出会えてとても嬉しいです！凄く面白いです。物語の描き方が丁寧で、想像しやすいです！😆 (3月3日 16時) (レス) @page14 id: 6dcb98b8f2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ふりこ | 作成日時：2024年2月23日 16時
