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「天使様ぁー！天使様！ここにいらっしゃったんですね」
「Adam、よく分かりましたわね？わたくし、少ししてから顔を出そうとしてましたのに」
「分かりますよ、だって。…そのハープの音が聞こえたから」
「ふふ、Adamはこれが好きね」
Mephistoがそう言ってくすくすと笑えば、Adamは照れたように頬をかいて顔を逸らして素直に頷いた。
するとMephistoはよりいっそう笑みを深め、楽しそう目を閉じる。
「Adamのために歌を作ったの、聞いてくださる？」
「えぇ、えぇ！もちろん！」
Mephistoがそう言ってハープの弦に手をかけると、心安らぐ音が奏でられ、それに乗せてMephistoの美しい声が載せられる。Adamはいつも通りMephistoの横に座ると、目を瞑ってその演奏に聞き入った。
AdamはMephistoの弾くハープが大好きだった、Mephistoが奏でる音が大好きだった、美しいその声が好きだった。
「……さすが天使様！また聞き惚れてしまいました」
「んふ、褒めるのが上手いですわね、Adam」
「…今日はどうしてここでハープを？いつもは弾いてませんよね？」
Adamが伺うようにそういえば、Mephistoはぱちくりと瞬きをしてうーん、と考えるように顎元に手をやった。
「少し練習したいと思いましたの、LucyやLily、そしてAdamに聞かせるためにも。」
「！！」
「特にあなたは本当に楽しそうにわたくしの音を聞いてくださるんですもの！こちらも弾き甲斐がありましてよ」
Mephistoが嬉しそうに笑うと、Adamは少しだけ拗ねたような顔をしてMephistoを見つめる。しかしMephistoがその視線に気づいて振り返ると、なんでもないような顔をしてニコリと笑った。
「…Lilithにも聞かせているんですか？」
「えぇもちろん！人間はみな神秘的で美しいんですもの！」
「……俺だけじゃ、ないんですか」
「！！…あぁAdam！そんな顔をしないでくださいまし。Luciferの付き添いで出会っただけですわ、貴方はわたくしの特別でしてよ」
むぎゅ、と音が着く勢いで抱きしめられ、さらにその上から羽根で覆われたAdamは満更でも無い顔をしてMephistoの背中に手を回した。
Adamが拗ねるとMephistoが嫌という程甘やかす、いつもの流れである。
「ねぇAdam、今日は何を見に行きましょうか」
「俺、海が見たいです！」
「海？……うん、うんうん分かりましたわ！行きましょうAdam！」
そう言って軽々とAdamを抱えたMephistoは六枚の羽でわたあめのように飛び上がり、くるりと一回転して海へ向かって羽ばたきはじめた。
Adamはこの瞬間が、一等好きだった。
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匿名 - ああ〜っ！！！！推しが今日も尊い〜っ！！！！貴方様の作品が私の生きる糧……、推しの供給少なすぎる中での癒しです……。 (3月16日 21時) (
レス) id: 0e669f45e3 (このIDを非表示/違反報告)
ふりこ(プロフ) - ぬこさん» そのお言葉すっごく嬉しいです〜！！皆様に楽しんで分かりやすく読んでもらえるのが一番なのでこれからも精進します！二回もコメント嬉しいですありがとうございます！ (3月6日 20時) (レス) id: ea9e40fa3e (このIDを非表示/違反報告)
ふりこ(プロフ) - もなさん» わーんありがとうございますー！！一応区切りは着きましたがいかがだったでしょうか！？まだ続く予定なのでこれからもよろしくお願いします！ (3月6日 20時) (レス) id: ea9e40fa3e (このIDを非表示/違反報告)
ぬこ - 更新お疲れ様です！いつも楽しく見させていただいてます😊 過去話とても楽しみです♪応援しています。 (3月6日 19時) (レス) @page25 id: 6dcb98b8f2 (このIDを非表示/違反報告)
ぬこ - この作品に出会えてとても嬉しいです！凄く面白いです。物語の描き方が丁寧で、想像しやすいです！😆 (3月3日 16時) (レス) @page14 id: 6dcb98b8f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふりこ | 作成日時：2024年2月23日 16時
