最後の日 ページ17
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「馬鹿ですわね、わたくし。」
Mephistoは虚ろな目でAdamの傷口を見つめ、優しくそこに触れる。
自身を嘲笑しながら、Mephistoは続けた。
「いくら神の創造物である貴方だとしても、人間なんかに恋をするなんてバカだって、そう思っていましたの。…周りからもずっとそう言われていたわ、天使が穢れるって何度も、何度もね」
その頃に思いを馳せ、Mephistoは嫌そうに、しかしどこか懐かしそうに目を細めていた。
その瞳には涙の膜が薄ぼんやりと貼られ始めていた。
「でもダメよ、あなたを諦められないの」
「死んじゃ嫌ですわ、Adam」
「わたくしのために、ずっと傍にいてちょうだい。」
ついにぎゅう、とAdamの大きな体を抱きしめ、MephistoがAdamの血に濡れた唇にそっとキスをした。
刺されたはずの胸はとっくに治っていて、Adamは震える腕でそっと、輝く宝石のような涙を、堰を切ったように流し出すMephistoを抱きしめた。
震えていたはずの両手でしっかりと、目の前にいる初恋を逃さないようにと。
死への恐怖から鳴り響いていた心臓がゆっくりと通常の速度を取り戻す。
ならばこの心臓の音は、目の前の女のものなのだろう。
「あなたに、吊りあう女になりたいのですわ」
「お前も馬鹿だよ、…もうとっくに、なってるって言うのに」
「Adam！！あぁ、よかった…！」
「泣いてんなよ、アンタは笑ってるのが似合うんだからさ」
刺されたばかりとLuciferにボコボコに殴られたせいで痛む身体をどうにかして起こし、Mephistoの小さな体を抱き込む。いくら能力では勝るMephistoも、単純な力勝負でAdamに勝てはしない。
「…それは私のセリフだ、Mephy」
「…」
「私は、結局一万年かけてもアンタに釣り合う男にはなれなかったよ」
「そんなの…！もう、最初からなってましてよ…！！」
周りの目も気にせず嬉しそうに笑い、Adamから離れようとしないMephistoをホテルの面々が複雑そうに見つめていた。
Luciferだけが目を細めて、まるで我が子を見つめるような、愛おしそうな瞳でMephistoを見つめている。
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匿名 - ああ〜っ！！！！推しが今日も尊い〜っ！！！！貴方様の作品が私の生きる糧……、推しの供給少なすぎる中での癒しです……。 (3月16日 21時) (
レス) id: 0e669f45e3 (このIDを非表示/違反報告)
ふりこ(プロフ) - ぬこさん» そのお言葉すっごく嬉しいです〜！！皆様に楽しんで分かりやすく読んでもらえるのが一番なのでこれからも精進します！二回もコメント嬉しいですありがとうございます！ (3月6日 20時) (レス) id: ea9e40fa3e (このIDを非表示/違反報告)
ふりこ(プロフ) - もなさん» わーんありがとうございますー！！一応区切りは着きましたがいかがだったでしょうか！？まだ続く予定なのでこれからもよろしくお願いします！ (3月6日 20時) (レス) id: ea9e40fa3e (このIDを非表示/違反報告)
ぬこ - 更新お疲れ様です！いつも楽しく見させていただいてます😊 過去話とても楽しみです♪応援しています。 (3月6日 19時) (レス) @page25 id: 6dcb98b8f2 (このIDを非表示/違反報告)
ぬこ - この作品に出会えてとても嬉しいです！凄く面白いです。物語の描き方が丁寧で、想像しやすいです！😆 (3月3日 16時) (レス) @page14 id: 6dcb98b8f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふりこ | 作成日時：2024年2月23日 16時
