堕ちた日 ページ11
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天使様が姿を表さなくなったのはもう随分と前の事だった。
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禁断の果実を口にして楽園を追放されたAdam達の元に、Mephistoが姿を現したのは最初だけであった。見かけることはあれど、Mephistoは進んでAdamを訪れることは無い。
それはだんだんとAdamの心に劣等感と嫉妬心を生み出し、ゆっくりと育てて行った。
しかしいくらMephistoを思えど、Adamも最初の人間、最初の父として成すべきことが山ほどあった。
そのためMephistoがここを訪れない理由を、深く考えたことはあまりなかったのだ。
だというのに、どうして。
Luciferと元妻、Lilithが天国を追放され地獄と呼ばれる悪意の肥溜めへ落とされたのはAdamも知っている。
まさかMephistoまでそれに巻き込まれているなんて、Adamは思いもしていなかったのだ。
Mephistoに会えた、ただMephistoの姿は最後に見た時と大きく変わっていた。
あの美しい羽は一対になって、輝かしい天使の輪はボロボロと崩れ始めている。零れる宝石だけは変わらず、Mephistoの柔い頬をなぞっている。
「どうして」
「…これでさようならですわ、Adam。」
わたくしの愛しい子。
そうとだけ言ってMephistoは地獄へ通ずる穴へと突き落とされてしまった。手を伸ばして追いかけた時にはもう遅かった、Mephistoはもう地獄に落ちていて、小さく見えるその影はもうMephistoのものでは無い。
SeraがAdamの肩に手を置いて、ここから去るように、Mephistoを忘れるように優しく説く。
人間初の天使となり、やっとMephistoに会えると期待していた男には、辛い現実だった。
「あぁ、Mephy…わたしのてんしさま……」
ぎゅ、と固く組んだ指をふるわせてAdamはうずくまった。Adamが楽園にいた頃からMephistoを慕っていたことを知っているSera達はバツの悪そうな顔をして目をそらすと、Adamをそっとしたままその場を去っていった。
あとから聞いた話では、MephistoはLuciferと無関係だから同時に堕とされなかったのではなく主からの審判待ちだったのだという。
Mephistoは自身が地獄への片道切符を握らされようとしていることを知ると、Adamの所に顔を出す暇もなく人々に祝福を齎したそうだ。
私には何もしてくれなかっただろ、そう悪態をつきかけてAdamは口を噤んだ。
もし貴方が最後にLuciferを選び私を突き放せば、貴方を心の底から恨んでしまえたのに。
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匿名 - ああ〜っ！！！！推しが今日も尊い〜っ！！！！貴方様の作品が私の生きる糧……、推しの供給少なすぎる中での癒しです……。 (3月16日 21時) (
レス) id: 0e669f45e3 (このIDを非表示/違反報告)
ふりこ(プロフ) - ぬこさん» そのお言葉すっごく嬉しいです〜！！皆様に楽しんで分かりやすく読んでもらえるのが一番なのでこれからも精進します！二回もコメント嬉しいですありがとうございます！ (3月6日 20時) (レス) id: ea9e40fa3e (このIDを非表示/違反報告)
ふりこ(プロフ) - もなさん» わーんありがとうございますー！！一応区切りは着きましたがいかがだったでしょうか！？まだ続く予定なのでこれからもよろしくお願いします！ (3月6日 20時) (レス) id: ea9e40fa3e (このIDを非表示/違反報告)
ぬこ - 更新お疲れ様です！いつも楽しく見させていただいてます😊 過去話とても楽しみです♪応援しています。 (3月6日 19時) (レス) @page25 id: 6dcb98b8f2 (このIDを非表示/違反報告)
ぬこ - この作品に出会えてとても嬉しいです！凄く面白いです。物語の描き方が丁寧で、想像しやすいです！😆 (3月3日 16時) (レス) @page14 id: 6dcb98b8f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふりこ | 作成日時：2024年2月23日 16時
