◇ ページ44
·
何故かAdamの横にいた天使に腕を引かれMephistoは部屋を移動させられる。どういうこと、ていうか誰。と思いながら結局Mephistoはされるがままに隣の部屋へ押し込まれてしまった。
もしや、AdamはVaggieと知り合い？なんだか仲良い感じだった、もしかしてもしかして？いや、VaggieはCharlieの恋人だし…。
そう1人で悶々と考えていると、突然部屋の扉が開かれた。失敗した、とMephistoは思った。だって悩む暇があるならこの部屋を出て先程の部屋に戻ればよかったんだ。だと言うのにどうして。
「Mephy」
「…Adam、と。…そっちの天使は」
「はっ、初めまして！…Luteと申します」
そう言って頭を下げた白髪の天使に既視感を覚える。Mephistoはううん？と唸りながら目を細めて何か考えるようにしながらLuteを見つめている。
対するLuteは天使には無いはずの心臓がバクバクと音を立てて今にも破裂しそうだ。
「あなた、どこかで」
「……」
首を傾げるMephistoを、どこか期待の籠った瞳でLuteが見つめている。
「あ…思い出したわ！！わたくしが最後に加護を与えたあの子ね…！！？あぁよかった…！本当に天国に来られていたのね…！！」
「…私は人を殺したのに、ここに来られたのは貴女様のおかげです。」
「そんな事ないのよ、わたくしはただ、贖罪をしようと足掻いただけ」
MephistoはLuteのことを思い出すと、咄嗟にLuteの両手を取って嬉しそうに笑った。悪魔になったというのに優しい顔で笑うものだから、Luteは拍子抜けしてしまう。
たしかに牙も生えたし天使の輪っかも、六枚あったはずの羽もない。目の色なんて人外そのもの。だというのに、Luteはあの日の光景と重なるものを見ていた。
「あれからずっと、貴女に感謝して過ごしてきました」
「あら！きっとあなたが天国に来られたのはその気持ちのおかげ、全部あなた自身のおかげですわ」
「そんな事ありません！……私にとって貴女はいつまでも天使様のままだ」
Luteは己よりも小さいMephistoの頬をそっと触る。警戒心ゼロだと散々言われたMephistoは心を許した相手には距離感もゼロになる。Luteの手を受けいれ、悲しそうに笑っていた。
「……こんな姿を見ても、失望しないのね」
「有り得ませんよ」
「ふふ、わたくし嬉しくてよ」
Luteという名をもらったのね、覚えておきますわ。と言ったMephistoをみてLuteは嬉しそうに笑う。それが面白くないのはかのチ×コマスターである。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 147人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ふりこ(プロフ) - 荒神さん» ありがとうございます~！！二人の行く末は一応決まっているのでお楽しみに！！ちゃんと最後まで行けるように更新頑張ります！！ (2月12日 13時) (
レス) id: ea9e40fa3e (このIDを非表示/違反報告)
荒神(プロフ) - 楽しく読ませてもらっています。これからの二人凄く気になります！更新を楽しみに待ってます！ (2月11日 23時) (レス) id: b7ee1287a7 (このIDを非表示/違反報告)
ふりこ(プロフ) - milkさん» わぁ~うれしすぎるお言葉をありがとうございます！ご期待に添えるよう頑張ります！ (2月10日 23時) (レス) id: ea9e40fa3e (このIDを非表示/違反報告)
milk - 凄く良い作品を書いてくれてありがとうございます🥲︎次の更新が楽しみすぎます！応援してます(´˘`＊) (2月7日 13時) (レス) @page8 id: 51fdde4063 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ふりこ | 作成日時：2024年2月6日 0時
