◇ ページ43
·
「……で、Mephyは何故ここに？」
「私にもそれは、……もうあの頃のMephistoではありません。Luteも、天使の頃のMephistoはもう忘れなさい」
「……心がけます」
そうとだけ言って消えていったSeraを、Adamは嫌そうに見送った。いやそうと言うのはもう態度だけでなく顔にまで全面的に書かれている。
Luteも気まずそうな顔でSeraを見送り、その気配が完全に消えるとため息をついた。
「ねぇ！私天国大好き！Vaggie、Mephyアイスクリーム屋さんみた！？あの虹で出来たトッピングぅぅ〜っ！！」
「ただの虹色トッピングだよ」
ぽんぽんっ、と縮めていたトランクを元の大きさに戻し部屋の隅に置いているMephistoを横目にVaggieははしゃいでいるCharlieに目を向けた。
「Emilyが本物の動物がいる動物園に行こうって！二人とも一緒に行く？」
「わたくしは遠慮しておきますわ」
「あー、私もちょっと休みたい。代わりにコアラ抱っこしてきて」
「嘘みたい…本物のコアラを抱っこできるなんて！！行ってくる！！」
Charlieを見送り、Vaggieはベッドに勢いよく寝転がる。荷物を運び終わったMephistoはんーっ、と背伸びをしながらやっとシルクハットとサングラスを外して息をついた。
「ありがとうMephy」
「いいのよ、それにしてもよかったの？わたくし別の部屋にして貰えるよう頼んできましょうか？」
「いいって！どうせすぐ帰るし、話したいこともあるし」
変に気を使い出したMephistoに、Vaggieは手を左右に振ってその必要は無いと体全体で伝えてくる。Mephistoはそんな様子のVaggieを見てくすくす笑うと、寝転がったVaggieの横にゆっくり腰かけた。
「それにしても……あら、お客さんかしら？」
「あ、待ってMephy」
コンコンコン！と尋常ではないレベルのノックが鳴り響き、Mephistoが真面目にもそれに反応する。Vaggieはそんな警戒心の欠けらも無いMephistoの背中を見て、なんで破壊の悪魔やってるんだコイツは。と心の底で思いつつMephistoをおいかける。
すると返事も待たずに扉が勢いよく開かれた。
「やぁどうもVag-asaurus！！………おっと、あー、おっと？」
「……はぁい、Adam」
ぴくぴくと口角を引き攣らせながら、どうにかひらひらと手を振ったMephistoに、Adamが心底驚いたように目を見開き身を引いた。まさかVaggieの部屋からMephistoが出てくるとは思わなかったのだろうか？？
「Mephisto様は是非！こちらに！！！」
「ナイスだLute！！隣の部屋が空いている、そっちに連れてけ！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 147人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ふりこ(プロフ) - 荒神さん» ありがとうございます~！！二人の行く末は一応決まっているのでお楽しみに！！ちゃんと最後まで行けるように更新頑張ります！！ (2月12日 13時) (
レス) id: ea9e40fa3e (このIDを非表示/違反報告)
荒神(プロフ) - 楽しく読ませてもらっています。これからの二人凄く気になります！更新を楽しみに待ってます！ (2月11日 23時) (レス) id: b7ee1287a7 (このIDを非表示/違反報告)
ふりこ(プロフ) - milkさん» わぁ~うれしすぎるお言葉をありがとうございます！ご期待に添えるよう頑張ります！ (2月10日 23時) (レス) id: ea9e40fa3e (このIDを非表示/違反報告)
milk - 凄く良い作品を書いてくれてありがとうございます🥲︎次の更新が楽しみすぎます！応援してます(´˘`＊) (2月7日 13時) (レス) @page8 id: 51fdde4063 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ふりこ | 作成日時：2024年2月6日 0時
