◇ ページ18
·
「……さぁCharlie！そろそろ我が主がお見えだよ。」
「！そ、そうねそうよね！うん、私頑張るわ！」
実の父親だと言うのにこんなに緊張するものか、とMephistoは苦笑いをしながら玄関の前に立って扉に手をかけた。
ガチャ、と開けられた扉の先に立っていたのはホテルの面々が思っていたよりもずっと小さな王様だった。
「Charlie！！」
「あらパパ…っ」
「ん〜〜！！！会いたかったよぉ」
「わたしもあえてうれしい、パパ…」
扉を開けた瞬間に目の前にいたCharlieに飛びつきCharlieが縮こまるほどの勢いで抱きしめる。苦しそうにLuciferを離れさせようと腕に力を込める
「Lucifer」
「おっ、Mephy！久しぶりだな」
後ろからゆっくりと現れたMephistoがLuciferの肩を掴み、それとなしにCharlieから引き離した。Charlieが肩で息をするのにも気づかず、LuciferはそのままMephistoにも抱きついた。
「まだ一ヶ月程度でしょ？ほらLucy、お嬢の話を聞いてやってくださいまし」
「ようこそ！ハズビン・ホテルへ！」
Charlieが片腕を開いてそういえば打ち合わせをしていたのか、後ろに控えていたEgg達がクラッカーを放った。
それにLuciferが目をやると、足元に一つ目の黒猫が寄ってくる。
「おぉ！元気だったか？Keekee」
「Mephy、あの」
「なんだい？」
「…パパ、こんな感じだったっけ？」
「……まぁね」
Keekeeをひとなですると今度はLuciferの元にRazzleとDazzleが飛んでくる。それを優しく撫でながらLuciferもくるくると回った。
「Razzle！Dazzle！大きくなったかな？ちっちゃいままだ！ちゃあんと娘の面倒を見てくれてるかい？でないと…ふふふ！」
RazzleとDazzleを脅しながらLuciferが肩を揺らして笑い、ホテルの中に目を向けた。
その前にLuciferの斜め後ろに立ったMephistoにも体を向け、もう一度抱きしめた。
「いやぁ私のわがままを聞いてもらって済まないねMephy！どうだいここは」
「あなたの我儘なんていつもの事ですよ、…Charlieは素晴らしいことをしていると、私は思う。しっかり見てやってください」
信用するMephistoにまでそう言われてしまえば鬱を理由に帰ることも、楽観的に見ることもはばかられてしまう。Luciferは珍しく真剣な顔のMephistoを見て少し目を見開き、ニヤッと笑った。
「もちろん！お前に言われずともそのつもりさ」
「なら良かったです。ほら、あちらからどうぞ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 147人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ふりこ(プロフ) - 荒神さん» ありがとうございます~！！二人の行く末は一応決まっているのでお楽しみに！！ちゃんと最後まで行けるように更新頑張ります！！ (2月12日 13時) (
レス) id: ea9e40fa3e (このIDを非表示/違反報告)
荒神(プロフ) - 楽しく読ませてもらっています。これからの二人凄く気になります！更新を楽しみに待ってます！ (2月11日 23時) (レス) id: b7ee1287a7 (このIDを非表示/違反報告)
ふりこ(プロフ) - milkさん» わぁ~うれしすぎるお言葉をありがとうございます！ご期待に添えるよう頑張ります！ (2月10日 23時) (レス) id: ea9e40fa3e (このIDを非表示/違反報告)
milk - 凄く良い作品を書いてくれてありがとうございます🥲︎次の更新が楽しみすぎます！応援してます(´˘`＊) (2月7日 13時) (レス) @page8 id: 51fdde4063 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ふりこ | 作成日時：2024年2月6日 0時
