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「A、最近元気ないなあ」
お弁当へ全く手をつけない私をはーちゃんが心配そうに覗きこんだ。「ごめんな。心配させるつもりはないんやけど、なんか駄目やわ私」
頭の中でグルグル回る宮君の言葉にどうしようもなく振り回されていた。かれこれもう宮君からの想いを聞いてから3ヶ月ほど経過していて、自分が宮君をどう思っているのかすら今は分からなかった。
「私こんなうじうじするキャラやったっけ」
自分はもっと冷静で、客観的に物事を見れる人間だと思っていたのに。ふーっと一つ大きく息を吐いた。
「ごめんはーちゃん。私ちょっと「ちょっとAちゃん借りるで」え、宮君！？」
立ち上がろうとしたところを宮君に腕を引かれる。意味もわからないまま、どこかへ歩きだした。「え、宮君？どないしたん？」声をかけても反応はない。
「宮君。宮くーん」
ズンズンと進む彼に歩幅が前のめりになりつつもなんとか転ばずにすんだ。彼がようやく立ち止まったのは人気のない屋上階段。
「ほんま、宮君どないしたっ！？」
ドンッと壁に押し付けられる。右手をしっかりと固定されて、後頭部にも彼の手が回っていた。「なんやねん」ボソリと呟いた彼の声は今まで聞いた中で一番低い。
「なんやねん、自分。俺は友達の枠にすらいれてくれてへんの？角名とはあんな風に話す癖に、なんで俺と話すときは顔強ばっとんねん。なあ」
「っ宮く「分かっとるよ。Aちゃんは優しいから無理して俺と話してくれてんねんな？でも、ほんまに俺そろそろ嫉妬でどうにかなりそうなんよ」」
グッと彼の手をにぎる力が強くなる。
「この前、浜村が転びそうやった時支えとったやろ？優しいなあ、ほんま。好きやで、そーゆー所も。
でもあいつAちゃんに気があんねん。浜村やなくてもAちゃんのこと好きな奴はいくらでもおるよ。
気づかへんかったやろ？……いやちゃうな。気づかへんフリしとるだけか」
苦しそうに顔を歪める宮君。目尻に少しだけたまった涙に思わず手を伸ばした。
「……ズルいわ」
「宮君かって、そんな顔すんのはズルい」
「Aちゃん、愛しとるで」
「私は愛し……」
とらんから、近寄らんといて。ここ数ヵ月何度だって強気で口にしてきた言葉だった。にも関わらず、喉元でつっかえてそれから先の言葉は出てこない。
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える(プロフ) - まる汰さん» 嬉しい限りです！すごいバレーをする侑君もちゃんと高校生なんだよって作品を書きたかったので、そう言ってもらえて嬉しいです！こちらこそありがとうございました！ (2019年8月21日 15時) (
レス) id: ace072b99e (このIDを非表示/違反報告)
まる汰(プロフ) - めちゃくちゃ素敵でした…宮侑も主人公も普通の高校生な雰囲気がとても可愛らしくてキュンキュンしました。ありがとうございます！ (2019年8月20日 23時) (レス) id: 216222d194 (このIDを非表示/違反報告)
える(プロフ) - チャイさん» 私のほうこそいつもチャイ様の作品に心撃ち抜かれてます…。憧れの作者様にそう言ってもらえて光栄です！私のほうこそ応援してます！コメントありがとうございました！ (2019年8月19日 18時) (レス) id: ace072b99e (このIDを非表示/違反報告)
チャイ(プロフ) - すごく面白かったです、、宮侑の性格言動行動が全部わたしのドストライクでした、、撃ち抜かれました、、打ち返します、、満塁、、(？？) 応援してます！！！！ (2019年8月19日 17時) (レス) id: cf703f5653 (このIDを非表示/違反報告)
える(プロフ) - 赤兎リエ輔さん» ありがとうございますー！こちらこそです！ (2019年8月15日 22時) (レス) id: ace072b99e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：える | 作成日時：2019年8月14日 11時
