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「っはあー。馬鹿っ。ほんっと馬鹿」


男子生徒は連れていかれた。多分国の病院に逆戻りどころか、もう死ぬ。ざまあない。


澤村さんの言うとおりあれから沢山の人が駆けつけた。侵入者というか、人じゃない気配を感知すれば、そりゃあ人が集まるのも無理はない。この学園の人間は優秀だから。


でもその大半の人間が、逆崎Aの起こした騒ぎの延長戦。と私に嫌悪の感情を向けたのだ。


それは正しい。下手をすれば彼は私以外の人間に多大な迷惑をかけたし、その元凶は間違いなく私で、もっと言えばあの依頼書の件で花巻さんにも被害は出ている。


でも及川さんはそんなのはお構い無しにギュウギュウと私を抱き締めた。「何やってんの」「心配した」と、嘘偽りのない言葉で。


「酷い言いようですね」


いつもの軽口。今すぐこの場から消え去ってしまいたい。そんな本心を彼に言えるわけがなかった。


「澤村君、ありがとう。Aちゃんを助けてくれて」


「あーいや。俺も少し遅かったんだ。それで、その……」


及川さんの言葉に澤村さんは口ごもる。バッと及川さんが私の肩をつかんで離すと、片手で綺麗にシュルッと火傷や首の痣を隠していた包帯をほどいた。


「っなに勝手に死んでんの?」


「いや、そりゃあ私も魔法かけられちゃえば対抗出来ませんし」


「大声出したりしなかったの?なんで?」


「周りに人が、いなかったので。それに私の人脈では誰も助けてなんてくれな、」


口から思わず出てしまった言葉に驚いた。それもすんなり。慌てて口をつぐむ。及川さんは目を見開いて、それから泣きそうな顔をした。


「あ、いや。違うんです及川さん。ほら、私友人が少ないので。変な噂もありますし、見ず知らずの人間を助けてくれるような人なんて普通いないじゃないですか。ね?」


「ふーんだ!Aぢゃんなんがもーじらない!」


「ごめんなさいって」


額に手を当てて天井をあおぐ。涙目でどこかに走っていってしまった及川さんを追いかけようにも、あの人は足が早い。


私の失言だ。岩泉さんの時とパターンは似ている。


「なに今の恋人みたいなやり取り」


「及川さんが彼氏?」


「キミ」


「だよね」


どうやら月島君も駆けつけてきた一人で、隣では山口君はオロオロとしていた。


「平気なの」


「平気だよ」


「強がり」


「知ってる」


月島君に嘘くさく笑った。

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R(プロフ) - めっちゃおもろいです…更新、待ってます🙇‍♀️ (2月25日 1時) (レス) @page35 id: a38d8c3d1f (このIDを非表示/違反報告)
ワグマン - パロ系あんまり好きじゃなかったんですけどこの話読んでめっちゃ好きになってしまいました!!更新頑張ってください(*- -)(*_ _)ペコリ (2020年8月4日 21時) (レス) id: d570b5d827 (このIDを非表示/違反報告)
あーさん(プロフ) - すっごく面白くて一気読みしてしまいました…!ダークな雰囲気が根底にある設定大好きなのとバトルシーンもワクワクします。もう本当にツボです…!笑 これからも応援しています(o^^o) (2020年6月5日 9時) (レス) id: 19c0d362e8 (このIDを非表示/違反報告)
える(プロフ) - 咲夜さん» コメントありがとうございます!気ままな更新ですがどうぞお付き合いください(*^^*) (2020年4月29日 13時) (レス) id: ace072b99e (このIDを非表示/違反報告)
咲夜 - 面白いです(* >ω<)。更新頑張ってください。続きが読みたいです(*- -)(*_ _)ペコリ (2020年4月29日 13時) (レス) id: d570b5d827 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:える | 作成日時:2020年3月13日 15時

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