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なんてことない一日。無意味な魔法基礎の講義には一つも出ず、ひたすらグルグルと校舎の回りを走っていた。一周するだけでも二十分かかるということに気づいたときにはすでに気のすむまで走った後だ。
「そういえば勧誘もなかったなあ」
自分には関係のないことだと思っていたからすっかり忘れていた。
これだけ多くの入学者がいて、わざわざ魔法の使えない人間を進んで取るチームもないだろう。
相手によっては物理攻撃なんて効かないも同然なのだし、わざわざお荷物を進んでしょいこむ理由はない。
仮に。
憑き人です、と公言すればつれるチームもあるかもしれないが、あまり大声で言うようなことでもないし。「……帰るか」
その場で軽くストレッチを済ませ、学生寮に向かう。荷ほどきもろくに終わっていないからそれもやらなければいけない。
【1年2組逆崎A！今すぐ闘技場へ来なさい！】
学園じゅうに鳴り響いたであろう放送。ピタリと全身が固まった。
昨日死闘を繰り広げた闘技場にわずか一日ちょっとでもう一度赴くことになろうとは。しかも声は生徒会長さん。あまりにも楽しそうな声色。無理だ、切実に帰りたい。
ボコボコにボコられる未来しか考えられなかった。しかし生徒会長直々の呼び出しを無視するというのも気が引けるというか、後が怖い。
深く息を吸って、吐く。仕方ない、と方向をグルリと逆転させた。スクバから戦闘用のベルトを取り出して腰に装着。それからナイフと銃。煙玉に……と持ち合わせの武器を全て装備した。
というか学内での私闘は禁止なのではなかったか、と脳裏によぎるが、そんなものあっちの方がよく理解しているわけだしどうにかしているのだろうと自己解決。
そもそも呼び出された場所が闘技場なだけであって、もっと穏やかな用事があるのかもしれない。
ただ私の血の気が多いばかりに誤解をしていて、闘技場に私の名前が書いてある物が落ちていただとか。あるいは告白なんかかも。
あらゆる可能性を思い浮かべては現実逃避を行う自分に全くもってついてないと苦笑する。腹をくくれと自ら鼓舞して動かす足は酷く重たいものだった。
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える(プロフ) - 汐見さん» コメントありがとうございます！賛否ある設定の物語ですが、そう言っていただけて幸いです(*^^*)これからもよろしくお願いいたします (2020年3月1日 11時) (
レス) id: ace072b99e (このIDを非表示/違反報告)
汐見(プロフ) - 初見です！とても面白かったです！更新頑張ってください！ (2020年2月29日 16時) (レス) id: dc0ff62b63 (このIDを非表示/違反報告)
える(プロフ) - 凜乃さん» ありがとうございます！長編の予定ですので、ごゆるりとお付き合いください。わざわざコメントありがとうございました(*^^*) (2019年12月12日 21時) (レス) id: ace072b99e (このIDを非表示/違反報告)
凜乃(プロフ) - 毎回とても楽しみにさせて頂いてます。更新頑張ってください (2019年12月11日 23時) (レス) id: 8218d9be2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：える | 作成日時：2019年12月4日 17時
