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「噂の劣等生やんな。気になっててん。なんで魔法も使えんグズがこの学園にいるんか。なんや、男漁りか?」


この学園の男女比は8:2。純粋な戦闘ではやはりどうしても女は男に引けをとってしまうので、当然といっちゃ当然の男女比。


彼の言わんことも分からないでもないのだ。事実この学園の女の子の中には、彼の言った風な目的で入学するような子もいる。


優秀で、美麗で、将来有望な人材がわんさかいるこの学園。否定はしないが、私はそれに当てはまらない。


「違います。全然」


「なら学びに来た?そんなこと言うんとちゃうやろな。魔法も使えんのに学ぶもなにもあらへんやろ。笑わせんなや」


「私は、強くなりに来ました」


私利私欲の為に、強くなりに来た。「は?」分かりやすく彼は眉を寄せた。「あの」


「そこまで邪険にされるようなことを貴方にした覚えはありませんが。それに、そこまで言われる筋合いもない」


「ほーん。いっちょまえに口は回るんやな。殺されかけたっちゅうのに」


「……随分と煽るんですね」


別に腹が立った訳ではない。ただ少し生意気かもしれないけれど、それでもここではいはいと彼の言葉に頷いて、ありもしないことを誤解されるのは嫌だった。


「助けてもらったこと、本当に感謝します。苦しかったし、痛かったので。でも初対面でここまであからさまな態度を取られるのは傷つきますし、私には貴方に嫌われるようなことをした覚えがありません」


彼はキョトンと目を丸くした。「なんや、嫌われるのに理由でもあるとおもっとったんか」それから人のいい笑みを浮かべて言う。


「人を嫌うのに理由なんていらんやろ。理由をつけるなら、俺はお前のそーゆー態度が気にくわん。あと実力もな。お前みたいな半端者がこの学園にいることが嫌や」


はっきりと。「お前みたいな奴妬んで魔物と契約しとるコイツはもっと気にくわんけどな」と、すでに意識のない男子生徒を見下ろした。


やはり彼は魔物と契約していたのか、と私も視線を移す。目が濁っていたのはそういうこと。比喩とかそんなんじゃなく真っ暗で、闇そのもののような目。


「まあコイツもお前がさっさと退学してればこーはならんかったやろけど」


お前のせいじゃないのか、と。「もしそうだとしても、私には関係ないでしょう」


「私より弱いのが悪い」


「はっ」


彼は鼻で笑った。


ほんっま気にくわん──

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える(プロフ) - 汐見さん» コメントありがとうございます!賛否ある設定の物語ですが、そう言っていただけて幸いです(*^^*)これからもよろしくお願いいたします (2020年3月1日 11時) (レス) id: ace072b99e (このIDを非表示/違反報告)
汐見(プロフ) - 初見です!とても面白かったです!更新頑張ってください! (2020年2月29日 16時) (レス) id: dc0ff62b63 (このIDを非表示/違反報告)
える(プロフ) - 凜乃さん» ありがとうございます!長編の予定ですので、ごゆるりとお付き合いください。わざわざコメントありがとうございました(*^^*) (2019年12月12日 21時) (レス) id: ace072b99e (このIDを非表示/違反報告)
凜乃(プロフ) - 毎回とても楽しみにさせて頂いてます。更新頑張ってください (2019年12月11日 23時) (レス) id: 8218d9be2f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:える | 作成日時:2019年12月4日 17時

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