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「やな言い方ー」
「そりゃ、やな言い方にもなりますって。あんなんいじめですよ」
肩をすくめる。「憑き人だなんて思わないでしょ?普通」彼はそう眉をよせた。
「ま、その考えが俺のなかに一切なかったって言えば嘘になるけど。烏野が君を勧誘しなかった時点で、いくらだって理由は考えられるんだから」
「いったい何がそんなに不思議なんですか、生徒会長さん。烏野に分析魔法の使い手がいたとして、戦力バランスを考えて私を取らなかったっていうのが一番無難な考え方だと思うんですけどね」
「それは君が新入生だからだよ」
びっと鼻先に彼の人差し指が突きつけられる。「烏野は上位チームの中ではドベ」
「戦力バランスなんて言ってる暇ないんだよ、だから。いつ上位から落ちたって不思議じゃない。なら、魔法が使えなくても実力十分で競争率の少なそうな君を欲しいって考えるのは普通のことでしょ?」
「なるほど」
納得せざるを得ない、というところだろうか。「分かってくれた?」と少しだけ柔らかく笑う彼にコクコクとうなずく。
「まあ何はともあれ、生徒会長さんは目的をはたしたわけですけど。憑き人で魔法も使えない私を貰ってくれるんですか?」
「んふふ、喜んで。音駒とも伊達とも話はついてるしね」
「死ぬななんて言わないでくださいよ、絶対に」
「ま、烏野が一番君をとるのに躊躇した理由は間違いなくそれだろうけど。大丈夫大丈夫、俺は優しくないから」
「どうだか」
苦笑する。「勿論、死なないように強くなってもらうけど」したり顔でそう口にした生徒会長さんは大きな手を私に差し出した。
「握手ですか?」
「それ以外に何があるのさ?」
「忠誠とか」
グイッと彼の手を引いて、その甲に口をつける。驚いたように目を丸くさせた彼は「粋なことするね」とくすくす笑った。
「騎士キャラで行こうかなあっと」
「ま、俺らの隊服は白の軍服だけど」
「鎧にしましょうよ」
「重いでしょ!」
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える(プロフ) - 汐見さん» コメントありがとうございます!賛否ある設定の物語ですが、そう言っていただけて幸いです(*^^*)これからもよろしくお願いいたします (2020年3月1日 11時) (レス) id: ace072b99e (このIDを非表示/違反報告)
汐見(プロフ) - 初見です!とても面白かったです!更新頑張ってください! (2020年2月29日 16時) (レス) id: dc0ff62b63 (このIDを非表示/違反報告)
える(プロフ) - 凜乃さん» ありがとうございます!長編の予定ですので、ごゆるりとお付き合いください。わざわざコメントありがとうございました(*^^*) (2019年12月12日 21時) (レス) id: ace072b99e (このIDを非表示/違反報告)
凜乃(プロフ) - 毎回とても楽しみにさせて頂いてます。更新頑張ってください (2019年12月11日 23時) (レス) id: 8218d9be2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:える | 作成日時:2019年12月4日 17時