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「まあまあそんなビクビクしないで。手加減するからさ。てことで」
いっちょ及川さんと模擬戦しよっか──
瞬間、観客席全体にシールドが展開される。「これ……」まさかとは思うが国見君のシールドではないだろうか。
そういえば彼、生徒会長さんの話の時だけ起きていたし、中学からの持ち上がりで生徒会長さんとの関わりがあっても可笑しくない。
「幸いなことに逆崎ちゃん武装してるしさ、なんの問題もないよね？」
「問題しかありませんよ」
この学園でも上位格であろう彼を前にして、問題がない訳ない。彼は得意気に笑って「そりゃあ及川さんに勝てるわけ無いんだけど」と、指を鳴らした。
「俺は君の能力がみたいだけだから悪く思わないでよね。ああ、怪我は烏野の優秀なヒーラーがなおしてくれるから安心していいよ」
彼の周りに黒く浮かぶ数個の球体。そう、確か昨日の所属決めで誰かが大勢を閉じ込めたのと似ている。けれど根本的に、どこか違った。
そういえばその驚異の球体を最後に一人内から割った子がいたな、と思い出す。オレンジ色の明るい髪色で、騒がしい子。そちらに意識を向ける余裕はなかったから、確かな記憶とは言いがたいけれど。
と、昨日の余韻に浸っていると生徒会長が人差し指をクルリと回して、私に向ける。
すると黒い球体がふよふよと私に近寄ってきた。ゆっくりゆっくり。
どこか直感的にそれには触れてはいけない思った。ぐっ足に力をいれて後退する。と同時にその球体が先程とは比にならないスピードで私がいた場所に突っ込んだ。
「じょ、うだんでしょ……」
サアッと血の気が引く。バクバクバクと心臓がいつもより働きだし身体中に血が巡った。
「やっぱり動きはいいね」と満足そうに笑う彼。しかし私がいた場所の地面はえぐれていた。消失していた。
あと一秒遅ければ間違いなく私は死んでいただろう。否、正確には死なないけれど、死ねないけれど、それでも私じゃなければ死んでいた。
「ほら、本気出さないとさ、五体満足で終われないんじゃない？」
体の傷が治る前提だからこそ彼は容赦がない。1年、それも入学したての私相手になんて大人気ないのだ。失笑。
「手加減なさすぎっ」
右で抜いた銃を彼に向ける。しかしそれは彼の目の前に出来た球体に飲み込まれた。
空間魔法は空間魔法でもブラックホール。「チートかよ」鼻で笑い飛ばす。
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える(プロフ) - 汐見さん» コメントありがとうございます！賛否ある設定の物語ですが、そう言っていただけて幸いです(*^^*)これからもよろしくお願いいたします (2020年3月1日 11時) (
レス) id: ace072b99e (このIDを非表示/違反報告)
汐見(プロフ) - 初見です！とても面白かったです！更新頑張ってください！ (2020年2月29日 16時) (レス) id: dc0ff62b63 (このIDを非表示/違反報告)
える(プロフ) - 凜乃さん» ありがとうございます！長編の予定ですので、ごゆるりとお付き合いください。わざわざコメントありがとうございました(*^^*) (2019年12月12日 21時) (レス) id: ace072b99e (このIDを非表示/違反報告)
凜乃(プロフ) - 毎回とても楽しみにさせて頂いてます。更新頑張ってください (2019年12月11日 23時) (レス) id: 8218d9be2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：える | 作成日時：2019年12月4日 17時
