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「と、いうことで連れてきたよ」


「何がということでだ太宰!!」


国木田の怒号が探偵社に響く。太宰の涼しい笑顔に国木田はさらに青筋を浮かべ、Aは目をパチクリとさせていた。


てっきり太宰はまだあの闇の中にいると思っていた、というのがAの本心である。ここ数年の間にあの時助けた少年がいい方向へと変わっていたことに、Aは思わず頬が緩んだ。


「お初にお目にかかる。あー、なんだ。えっと、その」


「ふふっ、別に隠すことはないよAさん。ここの人間はちょっとやそっとじゃ驚かないさ」


「そう?じゃ、改めて。僕の名前は逆崎A。前世から引き続き鬼狩りをしている」


よろしくね、と差し出した手。国木田はカチン、とその場に固まってしまい「あー、ほら」とAは少し責めるように太宰を見た。


「鬼狩りだと?そんな、まさか…。あれは何百年も前のおとぎ話では…」


「僕は鬼狩り、もとい鬼殺隊のメンバーだ。鬼だって存在する」


困ったことにね、とAは眉を下げる。


「太宰がこの前受けた依頼、実際犯人は鬼だよ、国木田。因みに逆崎Aなんて名前は偽名だろう、君」


口を挟んだのは江戸川だった。「偽名というより前世の名かな」


「大切な名だからね」


「ふーん。で?太宰が連れてきたってことは、そこの君が鬼をどうにか出来る勝算があるってこと?」


「勿論です、乱歩さん」


太宰の言葉にAはええ、と困ったように笑う。


「勘弁してくれ、治君。僕だって一ヶ所にとどまってるわけにはいかないんだ」


「おや。でもAさんは困ってる私をほってはおけないだろう?それにこれは、君の長い鬼狩りの人生を終わらせるチャンスだ」


ピクリ、とその言葉にAが反応する。


「武装探偵社にはものすごい頭脳の持ち主がいる。それに?社員だって皆優秀だ。鬼の親玉を見つけ出すことぐらい容易だよ。でもそれには君の協力が不可欠だ」


「……はあ。君は口がうまいな、治君」


鬼の親玉を見つけ出した所で、Aがその鬼を倒せるかどうかは全く別の話である。それでもAにはこの話を飲まなければいけない理由があった。


Aは、復讐のために刀を握っている。


「協力はする、絶対だ。けれどここの鬼ばかり相手にするわけにはいかない。ほかの街を蔑ろにすることは出来ないんだ」


「分かってるよ。十分だ」


太宰はにこりと笑った。

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赫赫 - えっそこで更新停止…!?勿体ない……!!とても面白い作品です!更新して欲しいです! (2021年12月9日 7時) (レス) @page39 id: 33d74645c1 (このIDを非表示/違反報告)
10優 - すんごく面白いです!一瞬で文スト(鬼滅?)の世界に引き込まれちゃいました(笑)更新待ってます。頑張って下さい! (2019年12月4日 1時) (レス) id: 9d99cb2590 (このIDを非表示/違反報告)
六花 - あのお願いがあるのですが、逆崎君の詳しいプロフィールを教えてほしいです!無理ならば大丈夫ですよ。更新いつでもいいので頑張ってください! (2019年10月12日 19時) (レス) id: 1558ece2fb (このIDを非表示/違反報告)
える(プロフ) - ルルナナさん» ありがとうございます(*^^*)不定期な更新ですが、ぜひ逆崎君の物語にもうしばらくお付き合いください。コメントありがとうございました(*^^*) (2019年8月11日 0時) (レス) id: ace072b99e (このIDを非表示/違反報告)
ルルナナ(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます!此れからも頑張ってください! (2019年8月10日 23時) (レス) id: f75b5a5c4e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:える | 作成日時:2019年5月25日 23時

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