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──



「綾辻先生。これは…」


「ああ、間違いないだろうな」


食い荒らされたような死体。かろうじて身元が分かるくらいの原型が保たれてはいるが、あまりにも見れたものではない。


実際その場にいた辻村深月は顔を青くしている。


「犯人など俺が言い当てるまでもない。何故俺にこの事件を持ってきた」


「上層部の命令です。しかしこれは…」


綾辻は黙り混む。間違いなくこれは世間で今騒がれている鬼の仕業だ。「おい」綾辻はそう呼び掛ける。辻村にではない。ある一件から自らについて回る、呪い。


「助言が必要か?綾辻君」


「貴様の得意分野だろう」


クツクツとそれは笑う。「鬼は存在する。ずっとずっと昔からの」


「しかしその存在も現在ではほとんど語られなくなるほどに姿を消した。鬼殺隊という部隊が、鬼を滅したのだ」


綾辻は反応を示さない。ジッと、目の前の死体を見つめていた。


「平安の鬼と言えば酒呑童子、地獄の鬼なんかは獄卒、加えて仏教で語られる鬼は数多くの種類がある。西洋の鬼なんかは吸血鬼が有名じゃの。

それよりもっと現実味のある、人間を辞めた人間が今世間を騒がせている鬼だ。まるで異能と、それは変わらぬ。もしや古くから異能は存在していたのかもしれん」


耳元でうるさく鳴っている風の音が京極の声をぼかした。鬼の元をたどれば異能力にありつくかもしれないという憶測を完全に否定することは出来ない。


「辻村君」


「はい」


「鬼殺隊に会わせろ。政府は会見で言っていたな、鬼に対抗できる者がいると」


辻村は眉を寄せる。「しかしあれは特務科の管理下ではありません」


「しらん。何とかしろ。優秀なエージェントなんだろう、君は」


「しかしっ!」


「許可など貰わんでいい。俺が個人的に会うんだ。君が探せ」


「それと」と綾辻は付け加える。


「これは君達特務科が持ってきた案件だ。黒幕を探せということだろう。そういえば探偵社には名探偵がいるといったな。あれも気づいているかもしれん」


「??」


「全く君は間抜けだな」


これの元凶は政府だと言っているんだ──


「特務科は直接手がだせん。しかし一つの事件を俺にあてて、そこからは俺が犯人を見つけるのは俺が行うことだ。特務科に責任はいかん。

つまりその鬼殺隊を探すのも、俺に従うのも、特務科である君の仕事で、義務だ」

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赫赫 - えっそこで更新停止…!?勿体ない……!!とても面白い作品です!更新して欲しいです! (2021年12月9日 7時) (レス) @page39 id: 33d74645c1 (このIDを非表示/違反報告)
10優 - すんごく面白いです!一瞬で文スト(鬼滅?)の世界に引き込まれちゃいました(笑)更新待ってます。頑張って下さい! (2019年12月4日 1時) (レス) id: 9d99cb2590 (このIDを非表示/違反報告)
六花 - あのお願いがあるのですが、逆崎君の詳しいプロフィールを教えてほしいです!無理ならば大丈夫ですよ。更新いつでもいいので頑張ってください! (2019年10月12日 19時) (レス) id: 1558ece2fb (このIDを非表示/違反報告)
える(プロフ) - ルルナナさん» ありがとうございます(*^^*)不定期な更新ですが、ぜひ逆崎君の物語にもうしばらくお付き合いください。コメントありがとうございました(*^^*) (2019年8月11日 0時) (レス) id: ace072b99e (このIDを非表示/違反報告)
ルルナナ(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます!此れからも頑張ってください! (2019年8月10日 23時) (レス) id: f75b5a5c4e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:える | 作成日時:2019年5月25日 23時

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