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XXIII ページ25

…あの後何を云われたっけ



「…ぃ…おい!」


『ッ!…中也…?』



お疲れ様って事で中也と飲んでたんだった



「大丈夫か?」


『大丈夫…大丈夫よ』



そうだ…あの後彼に__



_"君を大切に思うのは私だけじゃない"_


_"誰かに頼るのも大切だよ"_



『…ッ、』



頼らせてくれない癖に。



「A」


『何?』


「手前、あの野郎に何か云われたか」


『頼るのも大切だ、だってさ笑えるわよね
縋るだけ縋って彼奴は離れていった
こっちの気も知らないで呑気なものよ』


「俺は太宰程手前を知っている訳じゃねぇ
だからどんな事でも善いから話してくれ
此処はAが思う程悪くねぇモンだぜ」



中也は絶対に踏み込まない。
その代わり私が話すまで何も云ってくれない



『何がしたいのか判らなくなっちゃったの
望んでマフィアに入った訳じゃない。
光の世界に行きたいと願った事もある』



こんな話をして中也はどう思うんだろう
お前はマフィアに向いている、
マフィアだけが味方だ、なんて云うのかな



『先代は私の異能を使って好き勝手した
私はそんな先代が大嫌いだし閉じ込められて
ボロボロの私を救ったのは森さんだから
首領になったのが森さんで善かったよ』


「閉じ込められた…って地下牢か」


『何が理由だったのかは覚えてないけどね
持ってた13の能力はほぼ入れ替えてるし
…どうして生きてるんだろうって思ってた
それを判ってくれたのが治だった。』


死を望む治と生きる理由が見つからない私と
だからこそお互いのめり込んで依存した



『…手を差し伸べないで欲しかった。』


「A…」


『…甘えた私が悪いの…?』


「違ぇよ」



マフィアらしからぬ真剣な眼差しで
まるで私が此処にいるのを責めるみたいに…



「誰よりも手前を気にかけてたのは彼奴だ
…彼奴抜ける時俺に嫌がらせと一緒に
置き手紙を残してったんだぜ」


『置き手紙…?』


「自分じゃAを守れないから頼むって
チッ…手紙残す位なら連れてけっつーの。」


『な、』


「俺はな自分の意志で此処にいる。
A、手前はそうじゃねぇだろ?」


『違っ私は』


「諦めと本心を履き違えんじゃねェぞ?」


『……、』


「俺も姐さんも芥川や樋口、黒蜥蜴の奴等も
他の構成員達だって手前を大切に思ってる
潰れそうなら逃げちまえばいい」


『逃げるって…』


「…いっそ俺と逃げるか?」


…中也も酷い人だよ…そんな事出来ないのに

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暁月臨(プロフ) - 最高です!!!更新待ってます!!頑張って下さい!!! (7月4日 0時) (レス) @page29 id: 59dc159e7e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆずみかん | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2023年2月9日 12時

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