25℃ ページ26
今日から新しい仕事。
新しくソロ名義で出す
CDのレコーディング。
『紗雪Aです、よろしくお願いします。』
コラボの稽古と同時並行なのは辛い。
でも頑張らないといけないから頑張る。
何より…もう一人じゃないから。
『君が欲しい。君は僕だけのモノ。
誰にも渡さない…絶対に。』
オリジナルが五曲、カバーが六曲の計十一曲。
今日はオリジナルのレコーディング。
『お願い……私のモノになって…？？』
音響さんにOKを貰い次の曲、と進んでいき
気付けば午後になっていた
今日はこれで終わりっと。
『あ、着信…父様と流司…』
まずは話の早そうな父様から…とリダイヤル。
『もしもし、』
父「もしもし？」
『どうしました…？』
父「今日どこでご飯食べるかと思って」
『母様がいつものお店でって言ってましたよ』
父「そうか、分かった」
『あ、あと…一人紹介したい人がいるんです』
父「珍しいね、構わないよ」
母さんに伝えておくと言われて礼をして電話を切る
次は流司か……、
「もしもし？」
『あ、流司？どうしたの？』
「仕事中だった？」
『今終わったところだよ』
「そっか、」
『何？どうかした？』
「……声、聞きたくなったんだよ」
『は……、』
「すぐ会えるのにさ、待てなくて」
『相当私の事好きなんだね』
意地悪のつもりでそう言ってみる
すると流司は黙り喋らなくなった…けど、
「……悪いかよ」
『なっ……、』
「あーもう。かっこ悪りぃ…、」
バツの悪そうに言う流司に笑みが零れる
『ふふっ、あははっ笑』
「なっ……笑うなよ！！」
『だって…あははっ笑』
「ったく……」
『ふふっ、そういう所も好きだよ』
「絶対俺の方が好き。」
『あーあ、私も会いたくなっちゃった。
今どこにいるの？？早めに会おーよ』
「ん。俺いつものスタジオにいる」
『今から行くね』
「……気をつけて」
『うんありがと』
電話を切り帰りの支度をして
スタッフの皆さんにきちんと挨拶をしてから
私はスタジオを出た
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